中国各地の幼稚園で今年も、園児が「爆薬」を背負い、「敵を倒す」戦闘を再現する催しが開かれた。
中国の建国記念日にあたる10月1日を前に、貴州、重慶、上海、江蘇などで、教育当局の求めに応じ、1930年代の共産党軍の大規模な軍事移動「長征」を再現したものだ。
ネット上の映像では、園児たちが中国国旗を手に、「爆薬」と書かれた箱を背負って列を作っている。手榴弾の模型を付けた子どもや、文化大革命期の「紅衛兵」のような服装をした大人が園児に国旗を配る様子も映っている。
こうした教育は今に始まったものではない。中国では以前から、愛国心と共産党への忠誠を結びつけ、革命や「敵との戦い」を賛美し、時には外国への敵対意識も植え付ける「紅色教育」が子どもにも行われている。
さらに2024年には法律を改正し、小学校から国防教育を行い、高校や大学では軍事訓練も行う仕組みを強化した。幼児に兵士を演じさせ、「爆薬」を背負わせる行事も以前から繰り返されている。
今回もネットでは、「爆薬を背負わせ、自爆攻撃する『烈士』にでもするつもりなのか」「幼児に何を教えているのか」と怒りや批判の声が相次いだ。
何も知らない幼い子どもほど、大人から教えられたことを素直に受け入れる。本来、幼い心に育てたいのは、命の大切さや平和、他者への思いやりのはずだ。最初に植え付けるものが「敵」と「犠牲」、そして「敵を道連れに死ぬことが英雄だ」という価値観であっていいのだろうか。
そんな教育を受けた子どもたちは、やがてどんな大人になるのか。そして、その大人たちがどんな社会をつくるのか。中国の隣に暮らす日本人にとっても、考えるだけで寒気のする光景である。
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