中国各地で、学生の飛び降りが相次いでいるとの情報が広がっている。本紙が江蘇省や河南省の学生を取材すると、過酷な学校生活と、相次ぐ学生の死をめぐる深刻な実態が浮かび上がった。
江蘇省の高校3年生は、友人が飛び降りて死亡したと明かした。地元ではほかにも複数の学生が飛び降りたといい、学校では事件について話さないよう求められ、ネット上の関連投稿も削除されたという。
別の高校生は、友人の学校で国慶節前に3人が飛び降り、2人が死亡したと明かした。河南省の中学生も、大学入試前の1か月に周辺で4件あったと語っている。
学生たちが訴えるのは、息をつく暇もない学校生活だ。「朝5時半から夜10時まで学校」「毎日試験」。休日にも補習が入り、受験競争に追われる。
ある高校生は、学生の飛び降りについて「毎年ある。今年は少し多いだけ」と話した。その言葉からは、同世代の死さえ珍しい出来事ではなくなってしまった、諦めにも似た感覚がにじむ。
学校では転落を防ぐ柵を設けたり、窓が15センチ以上開かないようにしたりする対策も取られている。

正確な死者数は確認できていない。だが本紙の取材から浮かび上がったのは、学生の飛び降りが繰り返され、その情報さえ表に出にくくなっている中国の学校の深刻な現状だ。
こうした若者の心の問題は、調査にも表れている。
中国の学術誌「中国公共衛生」に掲載された調査では、5省の11~20歳、2万人以上のうち、約1割が自殺を考えた経験があり、約2割に抑うつ傾向がみられた。
ただ、心の問題を周囲に打ち明けられず、抱え込む学生もいる。数字に表れないケースを考えれば、実態はさらに深刻な可能性もある。
教育当局も試験を減らすなどの対策を打ち出しているが、学生を取り巻く重圧はそれだけではない。
中国問題研究者の馮崇義氏は本紙の取材に対し、背景には受験競争だけでなく、家庭からの圧力、激しい社会競争、就職難など複数の問題が重なっていると指摘。若者が将来に希望を持ちにくくなっていると分析した。
勉強して、競争して、その先に何があるのか。未来が見えないまま走り続ける中国の若者たち。その苦しさが、学生の飛び降りという最悪の形で表れている。
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