中国 食料や薬の備蓄呼びかけ広がる

中国東北部 「肺ペスト」への警戒高まる

2026/10/11
更新: 2026/10/11

あのコロナ禍の悪夢が再び繰り返されるのか。ロシアと国境を接する中国東北部で今、「肺ペスト」への不安が広がっている。

ネット上では食料や薬の備蓄を呼びかける投稿が相次ぎ、都市封鎖のうわさまで飛び交っている。

肺ペストは人から人へ感染することがあり、早期に治療しなければ命に関わる危険な感染症だ。

騒動の発端は、ロシアのペスト研究所に勤める28歳の女性職員が、重い肺炎で入院し、10月2日に死亡したことだ。ロシア当局は約200人の接触者を一時隔離・監視したが、死因は明らかになっていない。

しかも、その約1か月前には、中国とロシアが国境付近で、ペストの流入を想定した合同訓練を実施していた。この偶然も人々の疑念を強めている。

中国のSNSでは、マスクや消毒用品、抗生物質の備蓄を勧める投稿が拡散。一部では抗生物質の価格がわずか3日間で5倍になったとの情報も出ている。

こうした不安の背景には、新型コロナ禍の苦い記憶がある。突然の都市封鎖、食料不足、厳しい外出制限。人々が恐れているのは感染症だけではなく、再び自由を奪われ、生活が一変することでもある。

ただし、現時点でロシアでの肺ペスト発生や中国への感染拡大は確認されておらず、都市封鎖の情報にも確かな裏付けはない。

それでも、感染が確認される前から食料や薬の備蓄を呼びかける声が広がっている。その背景にあるのは、当局への根強い不信感と、コロナ禍で味わった苦い経験だ。

感染症への恐怖だけでなく、政府の対応そのものを恐れる。そこに、今の中国社会の深い不信が表れている。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!