華やかな芸能界の裏で、仕事と引き換えに性的関係を迫られる「枕営業」。こうした問題はどこの国でも起こり得るが、中国では今、男性芸能人の方が女性より危険だという。
以前からささやかれてきた業界の闇を、今回、業界経験10年以上の現役ベテランマネージャーが公の場で赤裸々に語り、波紋を広げている。
中国の女優・張小婉(チャン・シャオワン)のマネージャーは、ポッドキャストでの対談中に「今は女性より男性芸能人の方が危険だ」と明言。男性俳優は男性からも女性からも性的な標的にされるという業界の闇を暴露した。
特に、後ろ盾のない新人は弱い立場に置かれやすい。出演のチャンスを握る権力者の要求を拒めば、役を失ったり、業界から締め出されたりする恐れもあるという。
あまりに踏み込んだ発言に、張小婉は「もうそれ以上言わないで。私を潰すつもり?」と慌てて制止した。

ベテラン俳優の鄭国霖(ジェン・グオリン)も、新人時代の恐怖体験を告白している。プロデューサーの自宅に招かれ、「演技がうまいだけじゃ、この世界ではやっていけない。誰に気に入られるかが大事なんだ」と告げられた。帰ろうとすると引き止められ、泊まるよう要求されたため、恐怖を感じて逃げ出したという。
さらに、2025年9月には37歳の俳優アラン・ユー(于朦朧)が不可解な死を遂げた。当局は「飲酒後の転落事故」として処理したが、生前、有力者から性的暴力や虐待を受けていたとの疑惑がネット上で広がった。権力者の関与や当局による隠蔽も疑われ、今も真相を求める声が続いている。

2026年6月には、33歳の俳優・金澤(ジン・ゾー)も自宅で突然亡くなった。死因の詳細が明らかにされない中、生前、業界の男性幹部から性的被害を受けていたことをうかがわせる会話記録がネット上に公開され、波紋を呼んだ。

しかし、これらはネット上で大きな話題になった、ほんの一部の事例にすぎない。表に出ないところでは、どれほど多くの若者が同じような苦しみを抱えているのだろうか。
「強い後ろ盾がないなら、絶対に我が子を芸能界に入れるな」
中国では芸能界の闇が話題になるたびに、決まってこの忠告が登場する。実は、同じような警告は、業界の裏も表も知り尽くした大物関係者たちの口からも語られてきた。
今回のベテランマネージャーの暴露も、その言葉の重みを改めて感じさせる。
仕事を得るには権力者に従うことを求められ、逆らえば将来を閉ざされかねない。夢をかなえるために飛び込んだ世界で、その夢を人質に取られる。
才能や努力だけでは自分の身すら守れない。そんな中国芸能界の恐ろしさが、この短い忠告に凝縮されている。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。