ロシアでの感染疑惑をきっかけに、中国で広がっていた「肺ペスト」への不安。今度は上海や重慶でも感染者が出たとの情報が浮上している。さらに河北省では、大量のカラスが空を覆う異様な光景が撮影され、ネット上で注目を集めている。
肺ペストは人から人へ感染することがあり、早期に治療しなければ命に関わる危険な感染症だ。
騒動の発端は、ロシアのペスト研究所に勤める28歳の女性職員が、重い肺炎で入院し、10月2日に死亡したことだ。ロシア当局は約200人の接触者を一時隔離・監視したが、死因は明らかになっていない。
しかも、その約1か月前には、中国とロシアが国境付近で、ペストの流入を想定した合同訓練を実施していた。この偶然も人々の疑念を強めている。
その後、中国のSNSでは、河南省でロシア由来とされる感染者が3人確認され、病院側が診断記録に「ペスト」と書かず、「原因不明の肺炎」と記載するよう求められたとの情報が拡散した。
さらに内モンゴル自治区では、70人以上が感染し、40人が死亡したとの投稿も出回っている。
感染疑惑は上海や重慶にも及んだ。中国の研究施設に勤務すると称する匿名の人物から、両都市で感染が疑われる患者が見つかり、ロシアから入国した2人が隔離後に死亡したとの情報が伝えられている。
一方、10月12日には河北省平泉市で、おびただしい数のカラスが上空を旋回する様子が撮影された。撮影者は「1万羽はいるんじゃないか」と驚きの声を上げた。
中国では古くからカラスの大群を不吉な兆しと捉える風習があり、新型コロナの大流行時にも各地で同様の光景が話題になった。ただし、今回のカラスの大量出現と感染症との関連を示す科学的根拠はない。
肺ペストに関する情報はいずれもネット上の未確認情報であり、感染者や死者の存在を裏付ける証拠は示されていない。 内モンゴル当局も感染のうわさを否定している。
一方、中国の一部地域では衛生当局がペストへの注意を呼びかけ、香港当局も感染状況の監視を強めている。
現時点で、中国国内で肺ペストの感染が確認されたという公式発表はない。
コロナ禍で突然の都市封鎖や食料不足を経験した中国の人々にとって、恐ろしいのは感染症だけではない。再び情報が隠され、生活が一変するのではないかという不安もある。
感染のうわさがこれほど広がる背景には、コロナ禍で深まった当局への根強い不信感が見え隠れしている。
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