中国 1回約5,000円から「子供」を代行

親孝行も外注する時代?中国で広がる新サービス

2026/10/13
更新: 2026/10/13

シェアサイクル、カーシェア、シェアオフィス……。最近は何でも「シェア」する時代になった。

そんな中、中国ではなんと「子供」までシェアするサービスが話題になっている。

その名も「シェア子供(共享児女)」。実の子供に代わって高齢の親を訪ね、話し相手になったり、病院に付き添ったりするサービスだ。

10月12日には中国のSNSで検索ランキング上位に入り、大きな話題となった。

中国各地に広がるこのサービスは、1回の料金が約5,000円~5万円。最低2時間から利用できる。離れて暮らす親の世話を頼みたい人たちから、予想以上の需要が集まっているという。

背景には、急速な高齢化と家族の変化がある。

中国の60歳以上の人口は約3億2,300万人(2025年末時点)。国民のほぼ4人に1人にあたり、毎年約1,000万人のペースで増えている。高齢者の9割以上が自宅で老後を過ごしており、介護や生活支援の必要性が高まっている。

中国には昔から「子供を育てて老後に備える」という考え方がある。しかし今、その子供たち自身も生活に追われ、親の面倒を見る余裕がなくなっている。

こうした事情から生まれた「シェア子供」だが、親の世話を他人に任せることについて、ネット上では賛否が分かれている。

「離れて暮らす親の世話を頼めるなら助かる」という声がある一方、「お金で雇った他人が家族の代わりになれるのか」という疑問も出ている。高齢者がスタッフを信用しすぎて、財産をだまし取られる危険性も指摘されている。

実際、広東省の女性が入院中の父親のためにサービスを頼んだところ、両親は拒否。しかし、「友人に手伝いを頼んだ」と説明すると、ようやく受け入れてくれたという。

もちろん、離れて暮らす親子にとって、こうしたサービスが助けになることもある。

しかし、お金を払えば「子供」の代わりが来てくれる一方、お金もなく、頼れる家族もいない高齢者はどうすればいいのか。

専門家によると、中国では農村部などの年金受給者約1億8,000万人が受け取る年金は、月わずか5,000円前後。これでは、1回約5,000円のサービスなど簡単には頼めない。

本当に助けを必要としている人ほど、その助けを買えない。親孝行の外注が広がる一方で、取り残される高齢者も少なくない。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!