シェアサイクル、カーシェア、シェアオフィス……。最近は何でも「シェア」する時代になった。
そんな中、中国ではなんと「子供」までシェアするサービスが話題になっている。
その名も「シェア子供(共享児女)」。実の子供に代わって高齢の親を訪ね、話し相手になったり、病院に付き添ったりするサービスだ。
10月12日には中国のSNSで検索ランキング上位に入り、大きな話題となった。
中国各地に広がるこのサービスは、1回の料金が約5,000円~5万円。最低2時間から利用できる。離れて暮らす親の世話を頼みたい人たちから、予想以上の需要が集まっているという。
背景には、急速な高齢化と家族の変化がある。
中国の60歳以上の人口は約3億2,300万人(2025年末時点)。国民のほぼ4人に1人にあたり、毎年約1,000万人のペースで増えている。高齢者の9割以上が自宅で老後を過ごしており、介護や生活支援の必要性が高まっている。
中国には昔から「子供を育てて老後に備える」という考え方がある。しかし今、その子供たち自身も生活に追われ、親の面倒を見る余裕がなくなっている。
こうした事情から生まれた「シェア子供」だが、親の世話を他人に任せることについて、ネット上では賛否が分かれている。
「離れて暮らす親の世話を頼めるなら助かる」という声がある一方、「お金で雇った他人が家族の代わりになれるのか」という疑問も出ている。高齢者がスタッフを信用しすぎて、財産をだまし取られる危険性も指摘されている。
実際、広東省の女性が入院中の父親のためにサービスを頼んだところ、両親は拒否。しかし、「友人に手伝いを頼んだ」と説明すると、ようやく受け入れてくれたという。
もちろん、離れて暮らす親子にとって、こうしたサービスが助けになることもある。
しかし、お金を払えば「子供」の代わりが来てくれる一方、お金もなく、頼れる家族もいない高齢者はどうすればいいのか。
専門家によると、中国では農村部などの年金受給者約1億8,000万人が受け取る年金は、月わずか5,000円前後。これでは、1回約5,000円のサービスなど簡単には頼めない。
本当に助けを必要としている人ほど、その助けを買えない。親孝行の外注が広がる一方で、取り残される高齢者も少なくない。
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