トランプ米大統領は10月21日、ホワイトハウスで、米国人から数十億ドルをだまし取ってきた海外の犯罪組織に対し、政府が「大きな打撃」を与えたと発表した。
ロイター通信によると、同日ホワイトハウスで開かれたサイバー犯罪の防止と取り締まりを目的としたイベントで、トランプ氏と政権高官らは、海外の犯罪組織に対する大規模な取り締まりの成果を報告した。
これらの組織は、暗号資産への投資を装った詐欺などを大規模かつ組織的に繰り返し、米国人から数十億ドルをだまし取っていた。
イベントには、ヘグセス戦争(国防)長官、トッド・ブランシュ司法副長官、スージー・ワイルズ大統領首席補佐官、スティーブン・ミラー大統領次席補佐官らが出席した。
米当局、1万人超に詐欺を警告 16億ドルの被害防ぐ
トランプ氏はイベントで、連邦捜査当局が今年、詐欺組織に狙われた米国人1万人以上に注意を呼びかけ、少なくとも16億ドルの被害を未然に防いだと明らかにした。
ミラー氏は、トランプ氏が「事実上、ネット犯罪者とのサイバー戦争に乗り出している」と述べた。
FBIのパテル長官は、FBIが世界各地で20か所の詐欺拠点を壊滅させたと説明した。こうした詐欺拠点は東南アジアにあり、この地域が犯罪の主な発生源となっている。
米連邦捜査当局はこれまでに、詐欺に使われた数百のウェブサイトのドメインを差し押さえ、数億ドル相当の暗号資産を凍結したという。
トランプ氏は今年3月に署名した大統領令で、司法省に対し、インターネットを利用した詐欺の容疑者の特定と訴追を優先するよう指示した。
その後、国土安全保障省にも、民間企業と協力して海外のサイバー犯罪組織の動向を監視するよう命じた。
暗号資産投資詐欺 2025年の被害額72億ドル
FBIの統計によると、2025年に米国人が暗号資産への投資詐欺で失った金額は72億ドルに上り、サイバー詐欺の中で最も被害額が大きかった。
FBIが今年公表した報告書によると、2025年に受け付けたインターネット犯罪に関する被害申告は100万件を超え、前年より17%増加した。
恋愛感情や投資話を悪用 詐欺の手口とは
FBIによると、こうした詐欺は、親しげなショートメッセージを送りつけることから始まる場合が多い。
詐欺グループは、恋愛感情があるように装ったり、偽の投資話を持ちかけたりして被害者の信頼を得る。その後、偽の暗号資産取引サイトに誘導し、資金を振り込ませる。
当初、サイト上では利益が出ているように見せかけるが、その後、被害者の資金は姿を消す。
こうした詐欺を組織する犯罪グループの多くは、ミャンマーやカンボジアにある、厳重に警備された詐欺拠点を活動の場としている。
これらの施設は「スマホ農場」とも呼ばれ、誘拐や人身売買の被害者らが詐欺行為を強いられている。
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