まぐれ当たりの治療法

私の小さかった頃、中国はちょうど「読書は無用」のご時世だったので、時間を持て余すことが多々ありました。私はよく母が勤めている診療所に行き、漢方薬の薬の香りを嗅いだり、時には細々とお手伝いなどもしていました。そこにいた医者たちは、よく麦門冬、ナツメ、甘草などの薬草を、おやつとして私にくれました。それらはほんの少し甘味があり、子どもの私にとってひとつの楽しみでした。
2021/05/22