習近平主席、「生物安全」の法整備急ぐ 新型コロナウイルスの発生が念頭か

2020/02/17
更新: 2020/02/17

中国では新型コロナウイルス(COVID-19)が猛威を振るっているなか、ウイルスの発生源は今なお謎のままだ。習近平国家主席は最近、会議で「生物安全」を強調し、注目を集めた。

習主席は2月14日、党中央深改委会議で、「経験と教訓を活かし、今回の疫病で露呈した不足に対し、抜け穴を塞ぐのを急がなければならない」とし、生物技術の応用を規範化する「生物安全法」を早急に発足させ、国家生物安全法律法規の体系および制度的保障の体系の構築を加速するよう求めた。

習主席が「生物安全」について公に言及したのは今回が初めてだ。習主席のこうした発言は、多数の死者を出した新型コロナウイルスの発生源について多くの憶測を呼んでいる。 

米連邦上院議員トム・コットン(Tom Colton)氏を含む一部の政治家や科学者からは、同事件は中国科学院武漢ウイルス研究所と関係があるのではないかとウイルスの発生源を疑問視する声が上がっている。

博士研究員「中国に『生物安全法』がないのは極めて恐ろしいことだ」

14日付米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、P3実験室の運用方法に精通している米国のウイルス学博士研究員は匿名を条件に取材を受けた際、「私は中国大陸でそのような規制がないということに驚いた。すでにP3、P4の実験室をいくつか建てたのに。これは極めて恐ろしいことだ」と述べた。

同研究員の話によると、台湾では2003年のSARS感染後、保健福祉部疾病管理課が主管し、世界保健機関(WHO)、米国疾病管理予防センター(CDC)および国立衛生研究所(HIN)、カナダ公衆衛生局などの関連実験室の生物安全規範とガイドラインを参考に、生物安全法規を徐々に改善しているという。

「なぜ法律が必要なのか? ウイルスを外に持ち出すのは簡単なことだ」と同研究員は話す。

RFAはまた、米国の「生物兵器反テロリズム法(1989 年)」の立案を担当した米イリノイ大学法学部のフランシス・ボイル(Francis Boyle)教授の話を引用し、習主席の話からは、生物安全問題の深刻さが習氏の政治的地位を危うくする可能性があるとの懸念を読み取ることができると報じた。

ボイル氏は、「制度的規範が全くないにもかかわらず、中国当局は生物兵器の開発に力を入れている。彼らが(エボラウイルスなどの危険な病原体を扱える)BSL-4実験室でこのような生物兵器を開発、貯蔵することは極めて危険だ。過去にこれらの施設では漏えいの記録があった」と述べた。

謎に包まれたウイルスの発生源

中国共産党の公式軍事ポータルサイト「西陸網」は1月26日、文章を発表し、武漢ウイルス研究所の石正麗研究員とそのチームがコロナウイルスを生成し、流出させたと指摘した。この報道が事実ならば、新型コロナウイルスが人工的に合成されたものであることを共産党が認めたと見なすことができるが、文章はその後まもなく削除された。

中国軍の生物化学兵器防衛の最高責任者である陳薇(チン・ウェイ)少将が1月末、武漢に入り、武漢ウイルス研究所の責任者を引き継いだ。

インド工科大学の研究者たちが1月31日、新型コロナウイルスにはHIV (エイズウイルス)のタンパク質に似たものが挿入されているとの発見を公表した。米国拠点の衛星放送・新唐人テレビ9日付によると、米国の遺伝子解析専門家のジェームズ・ライオンズ・ワイラー(James Lyons-Weiler)博士は、この新型コロナウイルスには「pShuttle vector(シャトル ベクター)」が挿入されていることから、消すことができない人工的な痕跡を残したと指摘した。

今や新型コロナウイルスの人為的介入の存在を明らかにすることは国際的に注目を浴びており、流行を食い止めるには予防と制御の鍵でもあると見なされている。 

(翻訳編集・王君宜)