奈良地裁 山上徹也被告に無期懲役判決 安倍元首相銃撃事件

2026/01/21
更新: 2026/01/21

2026年1月21日、奈良地方裁判所は、2022年7月に街頭演説中の安倍晋三元首相を銃撃し死亡させたとして、殺人などの罪に問われていた山上徹也被告(45)に対し、検察側の求刑どおり無期懲役の判決を言い渡した。

判決で田中伸一裁判長は、選挙期間中という民主主義の根幹に関わる場で、暴力により政治家の生命を奪った行為について、「卑劣で身勝手な動機に基づく犯罪」であると指摘し、極めて重い刑事責任が認められると判断した。

判決は、被告が自作した銃を用いて計画的に犯行に及んだ点や、事件が社会に与えた影響の大きさを踏まえ、無期懲役が相当であると結論づけた。公判では、被告の生い立ちや家庭環境に関する事情も明らかにされたが、量刑判断においては、犯行の計画性や結果の重大性が重視された。

裁判は裁判員裁判として行われ、被告本人は起訴内容について一貫して認めていた。弁護側も、被告が単独で犯行に及んだ点については争わず、量刑の軽減を求めていた。

この裁判をめぐっては、過程や事実認定をめぐって、いくつかの点が指摘されている。

まず、銃撃時の被告の位置関係と、被害者の負傷部位との関係についてである。安倍氏の死因となった首の傷は「前方」から撃たれたように見えるが、山上被告は「後方」にいたため、別の場所(近くのビル屋上など)にいたスナイパーが真犯人であるという説だ。​一方で被告は犯行を全面的に認めた。弁護側も被告以外の関与を否定した。

司法解剖を担当した医師は、安倍氏が銃声に反応して体をひねった際、被告の放った弾丸が首や肩に当たったと説明しており、被告の立ち位置と矛盾しないと証言している。

次に、弾丸の所在や発砲音に関する点である。被害者の体内から弾丸が確認されなかった点について、検察側は大量出血や救命措置の過程で体外に流出した可能性を示している。また、映像や音声の解析により、発砲音は被告による2回のみであるとされた。

さらに、共犯者の有無についても一部で言及があった。裁判では、犯人性そのものは争点とならず、量刑判断が中心となった。

判決言い渡しの際、被告は裁判長の判決理由を静かに聞いていたとされる。今後、弁護側が控訴するかどうかが焦点となるが、現時点では手続きの行方は明らかになっていない。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます