旧正月を控え、最近、習近平が地方を視察する、いわゆる「慰問」を行った。国民に寄り添う姿勢を示す狙いだったが、中国共産党(中共)中央テレビが放送した慰問動画が物議を醸している。
映像では、習近平が数人の清掃作業員と会話を交わし、1日の勤務時間について尋ねた。女性作業員の1人はカメラの前で笑顔を見せながら「朝から晩まで、十数時間です」と答えた。
この発言に対し、ネット上では「事実上、長時間労働を暴露したようなものだ」と驚愕した声が上がった。
午前7時に勤務を開始すると仮定すれば、十数時間働けば夜までほとんど休憩なしで働いていることになる。こうした状況が明らかになったにもかかわらず、習近平は「大変だな。都市の運営は皆さんなくしては成り立たない。多くの家庭の需要を支えてくれている。党委員会と政府は皆さんに関心を払わなければならない。良いお年を」と述べた。
この発言を受け、SNSのコメント欄には批判や皮肉が相次いだ。
「労働法というものを知らないのではないか」との書き込みや、「彼の知能では、これは労働法や人権に関わる問題だという認識すらないのではないか」「毎日あちこち慰問しているが、何を演出しているのかよく分からない」といった声も見られた。
多くのネットユーザーが指摘したのは、国の最高指導者が労働者から「毎日十数時間」という明らかな過重労働の実態を聞かされた際、最初の反応が「制度上の問題を追及する」ではなく「称賛」だったことの異常さだ。これこそが最も皮肉なところだという。
さらに、この映像は、低賃金、長時間労働、そして指導者の宣伝動画に付き合わされるといった現場の実情をかえって浮き彫りにしたとの見方も出ている。当局は温かい雰囲気の慰問を演出する狙いだったが、意図とは裏腹に批判を呼ぶ展開となった。
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