バイカル湖で車が氷の裂け目に転落 中国人観光客7人死亡

2026/02/21
更新: 2026/02/21

現地時間2月20日、ロシア・バイカル湖のオリホン島付近で、中国人観光客を乗せた車が氷の裂け目に落下して沈没し、7人が死亡、1人が脱出した。事故当時の状況について複数の目撃者が証言している。

20日午後2時ごろ、ロシア製のUAZバンがオリホン島北部のホボイ岬付近を走行中、幅およそ3メートルの氷の裂け目に落下し、車は水深約18メートルの湖底に沈んだ。車には中国人観光客8人とロシア人運転手1人の計9人が乗っていた。

目撃者によると、車は裂け目からゆっくりと沈み始め、約1分ほどで水中に沈んだという。

ロシア非常事態省イルクーツク州支局は、救助隊が水中カメラで確認した結果、7人の遺体を発見したと発表した。死亡した7人はいずれも中国人で、1人は沈没前に脱出した。ロシア人運転手の行方は分かっていない。

イルクーツク州のコブゼフ知事は、事故現場の道路は通行が認められておらず、車は規定に違反して進入していた。

目撃者は、運転手が氷の裂け目を見つけた後も停止せず、加速して通過しようとしたことが事故につながったと述べた。

運転手は44歳の地元男性で、元子供向けサッカーコーチ。正規の旅行会社ではなく、個人で客を集めて氷上ツアーを実施していたとみられている。

当局はすでに4人の身元を確認しており(生存者を含む)、中国から訪れた一家で、夫婦と14歳の子供、女性親族1人だった。残る4人の身元は確認中。

中国メディアの報道によると、現場に居合わせた中国人観光客が、事故車は地元の車両で、2~3分で湖に沈んだと証言した。車が沈む直前、若い男性がドアを開けて脱出し、周囲の人がロープで氷の裂け目から引き上げたという。

事故現場は青い氷を観賞するスポットで、周囲には複数の裂け目があり、観光客を乗せた他の車も近くに停まっていた。事故発生後、周囲の男性らが救助に向かったが、沈む速度が速く助けることはできなかったという。目撃した観光客は恐怖で夜になっても震えが止まらなかったと話した。

バイカル湖はモンゴル北方に位置する世界最深の淡水湖で、シベリア有数の観光地として知られる。中国人観光客も多く訪れている。近年は中露関係の緊密化やビザ免除措置の影響で、中国からの訪問者が増加している。

オリホン島は湖最大の島で、北部ルートはブルーアイス観賞で人気の観光コースとなっている。

別の観光客は中国メディアに対し、2月15日に北部ルートを訪れた際、氷にはすでに亀裂が入っていたと証言した。運転手は確認後「問題ない」と判断して通行したという。その後気温が上昇し、氷柱付近では割れる音がはっきり聞こえたとしている。

さらに別の観光客も17日に裂け目を確認したほか、事故前日の19日には同じルートで別の人が氷穴に落ちる事故があったが救助されたという。「今年は氷が十分厚くなく、島の往復にはホバークラフトが必要だった」と話している。

現地政府は凍結した湖面に公式の走行ルートを設け、条件に応じて通行を許可しているが、それ以外の区域での走行は禁止している。

ロシア当局はすでに刑事事件として立件し、初期判断で過失致死の可能性があるとしている。運転手はそもそも有効な運転免許を持っていなかったとされ、車両も違法営業だったとの情報がある。

今回の事故は、バイカル湖で1か月以内に発生した中国人観光客関連の2件目の重大事故となる。

今年1月28日には、中国人観光客10人を乗せたUAZ車が氷の裂け目に落ちて横転し、中国人1人が死亡、4人が負傷した。犠牲者は江蘇省の観光客だった。ロシア側の調査では、この事故でも運転手が無免許だったことが判明している。