Z世代が書き換えるナラティブ 国際女性デーに「母親であること」を含めるべき理由

2026/03/07
更新: 2026/03/07

人口減少はもはや仮定の話ではない。出生率の低下は、世界中の社会を再編しつつある。国連によれば、現在、全諸国の半数以上で合計特殊出生率が人口置換水準である2.1を下回っている。イタリアは約1.2、韓国は0.7まで下落し、米国も1.6に落ち込んだ。アフリカ、ラテンアメリカ、中東の一部でさえ、経済的圧力により若者が出産を先送りにするか、諦める状況にある。経済協力開発機構(OECD)は、労働力人口の減少と高齢化が長期的な経済安定を脅かしていると警告する。

各国政府は税額控除、児童手当、保育所への補助金、育児休業の延長などで対応してきたが、出生率は依然として低いままだ。経済的なインセンティブだけでは不十分なのである。

親になること、特に「母親になること」を選択することは、しばしば実質的な不利益を伴う。OECD諸国全体において、母親は子を持たない層よりも賃金が低く、キャリアの断絶によって老後の保障も減少する。また、世界の地域によっては、母親になることを選ぶことで女性の自由が奪われることさえある。仕事や財産所有権、自立した生活が制限されるからだ。

こうした変数があるにもかかわらず、北米、欧州、アジア、中東、アフリカ、ラテンアメリカの若年成人は一貫して、家族が人生の目標の中心であると述べている。10カ国の18〜34歳の成人1万人以上を対象とした調査では、成功の指標として家族が富を上回ることが多いという結果が出ている。

しかし、母親になることを望む女性にとって、この問題はより個人的な葛藤となる。彼女たちは、キャリアを築きながらいかに経済的にやりくりするかに苦心している。住宅費の高騰、雇用の不安定さ、学生ローン、そして中断のない労働を評価する職場環境の中で、子供を持つという選択は「高くつく犠牲」のように感じられてしまう。

世界で一斉に成人を迎え始めている「Z世代」は、ケア(育児・介護)かキャリアかの二者択一を拒否している。彼らは自律性と家族の両方を求めているのだ。

Z世代のインフルエンサー、モーガン・ハーパー・ニコルズはこう宣言した。「私たちは成功の定義を塗り替えている。キャリアか家族かではなく、その両方を包含する『目的(パーパス)』として捉えているのだ」

労働運動に端を発し、毎年3月8日に国連によって承認されている国際女性デーは、政治・経済・法的な女性の平等を正当に祝福するものである。これらの勝利は不可欠だ。加えて、100カ国以上で「母の日」が祝われており、これは女性によるケアに対するほぼ普遍的な認識と言える。世界中で、育児から高齢の親族の世話に至るまで、無償のケア労働の大部分を女性が担っている。国連女性機関(UN Women)の試算によれば、この労働を有償化した場合、年間10兆ドルの価値に相当するという。米労働統計局によると、米国だけでも母親は週平均50時間の無償労働を行っている。しかし、社会の基盤としての「母親であること」は、主に「権利」に焦点を当てがちな国際的なジェンダー枠組みの中では言及されていない。「母親であること」が置き去りにされたままでは、女性の社会的地位の向上は不完全なものに終わってしまうだろう。

国際女性デーに「母親であること」を加えたとしても、以下のことにはならない:

・女性に子供を持つことを強いる

・子供を持たない女性の価値を損なう

・リーダーシップや起業精神を阻害する

むしろ、親になるという選択が支持され、尊重されるべきものであり、いかなるキャリアや公的な業績とも等価値であることを肯定することになる。

社会がケア労働を評価しない限り、政策だけで出生率の低下を解決することはできない。

「認めること」には大きな力がある。ケア労働が承認され、正当に評価されれば、女性は自分が尊重されていると実感できる。次世代を担う労働者や新しい価値を生む革新者(イノベーター)、そして市民を育てる親の存在なしに、国は立ち行かない。 親になるという選択を支援し、尊重する社会こそが、文化的にも経済的にも強靭になれるのだ。

国際女性デーの次のステップは——そしてそれはすでにZ世代の間で始まっているが——女性の功績と母親であることが対立するものではなく、社会を強化するために共存するものであると示すことだ。

Z世代の気候・社会活動家、アレクサンドリア・ヴィラセニョールは次のように説明する。

「私たちは、生きる価値のある世界を望んでいる。仕事とケアが互いを打ち消し合うのではなく、豊かにし合う世界だ」

Z世代は、これまでの仕事や家族のあり方に縛られることはない。彼らにとって、キャリアを築くことと母親として生きることは、無理に選ぶものではなく共存させるものだ。社会がその新しい価値観を認め、支えるよう、彼らは変化を促している。

女性、キャリア、そして母親に関する次章を定義するのは、古いやり方に固執する人々ではない。リーダーとして、革新者として、そして母親として、女性が等しく繁栄できると主張するZ世代によって再定義されるのである。

Moms for Freedom World エグゼクティブ・ディレクター兼創設者(Moms for Americaの姉妹団体)