中東情勢が一段と緊迫する中、ホルムズ海峡を巡る地政学的な駆け引きが再びエスカレートしている。分析によれば、中国共産党は長年にわたり同地域において「利益を図るも、責任は回避する」という選択的な関与戦略を採用してきた。
既存の安全保障体制に依存して利益を享受する一方で、それに伴う責任を回避してきたとされる。しかし、紛争の激化に伴い、このモデルは現実的な圧力と試練に直面している。
南アジア・インド太平洋問題ストックホルムセンターのジャガナート・パンダ所長は、米誌『ザ・ディプロマット』への寄稿で、北京の危機における「中立姿勢」は、実際には緻密に計算された戦略であり、安全保障上の責任を負わないまま経済的利益を継続的に得ることを目的としていると指摘した。
同記事では、中共が海上安全保障行動に参加せず、代替案も提示していないにもかかわらず、この航路からエネルギーおよび貿易上の利益を長期にわたり享受している点を問題視している。「利益は自らが享受し、リスクは他者が負担する」という矛盾が生じていると論じている。
中国問題専門家・李林一氏:「中国共産党はホルムズ海峡における自らの利益の大きさを公に語ろうとはしない。唯一行っているのは米国への批判であり、核心的な問題については決して応答しようとしない」
また、一部の分析では、中共は単なる「フリーライダー」ではないとされる。イラン産の割安な原油を大量に購入し、人民元の決済によって同国経済を支えるだけでなく、技術や情報面での支援を提供している可能性もあり、実際にはすでにホルムズ海峡周辺の地域情勢に深く関与しているとの見方が出ている。
米サウスカロライナ大学エイキン校ビジネススクールの謝田教授:「現在、イランはイスラエルに対して大規模で強力な攻撃を行っているが、イランが米国のGPSを利用することはあり得ない。使用しているのは中国の北斗やロシアのグロナスであり、これらは中共が提供しているものだと考える」
さらに、中共が表向きには交渉と対話を呼びかけている一方で、実際にはイランを支援することで米国およびイスラエルをけん制し、米国に中東での戦略的資源の消耗を強いることで地政学的利益を得ていると指摘する。
謝田氏:「中共は、米国の注意力と資源を分散させる役割を担う存在を支援することを望んでいる。国際舞台で米国の足を引っ張ることで、対中圧力を軽減できる。これは中共の戦略的国家方針の一つだ」
注目すべきは、米国が軍事資源を中東へとシフトさせる中で、アジアの防衛体制に潜在的な空白が生じる可能性である。専門家は、中共がこれを戦略的機会と捉え、石油湾岸地域における影響力をさらに拡大させる可能性があると警告している。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。