2月28日、米国とイスラエルがイランに対し初の弾道ミサイル攻撃を実施し、イランの最高指導者アリー・ハメネイ師が初日の攻撃で死亡した。イランは衝撃を受け、世界は震撼したが、最も落ち着かないのは中国共産党(中共)である。この戦争が中国の低迷する経済にさらなる打撃を与えることは疑いない。
China Channel創設者兼社長で、中国問題に精通するベテラン専門家・コンサルタントのボニー・ジラード氏は「ザ・ディプロマット」誌への最新寄稿で、イラン問題において中国共産党(中共)は米国を深刻に見誤ったと指摘した。米国は昨年6月21日にイランの核施設を爆撃し、イランの核兵器開発を数年後退させたが、中共はその時点で、米国がイラン問題に本腰を入れていることを認識すべきだったという。
同氏はまた、ベネズエラも中共と同様に米国を読み違えたと述べた。トランプ米大統領はベネズエラに対し、米国への大量の麻薬密輸をやめるよう繰り返し警告していたが、ベネズエラの独裁的なニコラス・マドゥロ大統領はこれを無視し、結局一夜にして米軍に生け捕りにされた。現在ニューヨーク市の拘置所に収監され裁判を待っており、後悔してもしきれないだろうとした。
イラン戦争 中国共産党の経済に追い打ち
記事は、世界の他の国々と同様に中国共産党もこのイラン戦争に衝撃を受けたと指摘する。イラン戦争の長期化に伴い各国の経済的代償が拡大する中、すでに苦境にある中共の経済はさらなる打撃を受けている。中国はすでに3年以上デフレに陥っており、経済の耐性が低下し、現在のグローバルなエネルギーショックに抵抗するのが困難な状況にある。イランは現在、限定的な船舶のみにホルムズ海峡の通過を許可しており、中国の石油・ガス輸送船もその中に含まれている。
記事によると、中共は石油供給源が安定的で信頼でき、かつ低コストであるかどうかが経済の良し悪しを左右することを十分理解しているため、あらゆる手段を講じて膨大な石油備蓄を構築し、これにより経済難局を乗り越えようとしている。筆者は、中国は世界最大の電気自動車生産国であり、電気自動車の販売増加を通じて石油・ガス価格高騰がもたらす潜在的経済損失を相殺しようとする可能性があるとみている。
一方で異なる見方をする専門家もいる。ブリューゲル研究所のアリシア・ガルシア=エレーロ研究員は、米国・イスラエルのイラン攻撃が引き起こした世界的なエネルギー流通の混乱は、中共のエネルギー安全保障、輸出の耐性、地政学的戦略に厳しい試練をもたらしているとした。中共の膨大な石油備蓄と多元的な石油調達先は一時的には保障となるものの、イラン紛争が長引けば中国国内の経済的圧力をさらに高め、中共のグローバル目標にとって不利に働くとの見解を示した。
記事の分析では、イラン紛争の下で中国は複合的な経済ショックに直面している。まずエネルギーショックそのものである。中共の石油備蓄は比較的充実しており、代替エネルギー源も少なくないが、イラン戦争がもたらす影響は避けられない。石油輸送の途絶、特にホルムズ海峡を経由する石油輸送の途絶により、中共の既存の石油在庫はすでに大きな圧力にさらされており、原油価格は急騰している。この状況が長引けば社会不安を引き起こし、中共の統治基盤を脅かす可能性がある。
中国の複数の航空会社は4月1日、4月5日から国内線の燃油サーチャージを引き上げると発表した。引き上げ幅は最大5倍に達する。
記事の分析によると、中国の石油価格は中共が統制しているが、問題はガソリンとディーゼルの価格を製造業者、運輸企業、そして最終消費者のいずれもが受け入れられる範囲にどう抑えるかである。中共にとって、イラン戦争は消費需要の不足やデフレといった既存の問題をさらに悪化させる恐れがある。
経済の惨状 専門家は悲観的
記事は2名の中国経済専門家への取材と引用に基づき、現在中国では物価が全面的に下落しており、食品価格だけでなく商品価格も下落し、範囲が広く長期化していると分析した。中国はこの経済デフレスパイラルから早急に脱却しなければならず、政府は最大5千億元(約11兆6千万円)規模の家計消費刺激策を実施しなければ、中国経済は取り返しがつかなくなるとしている。
うち1名の専門家は、歴史上デフレは極めて稀であり、物価下落が3年間続いてインフレ率が回復しなければ、人々はインフレはもう戻らないと考えるようになり、そうなれば中国経済は日本のバブル崩壊の二の舞になると指摘した。
もう1名の専門家は、上海のテクノロジー企業を経営する友人の話として、会社が入居する開発区では10社のうち8社が移転または倒産したと明かした。2010年代初頭と比較して、中国に進出する外資系企業の数は大幅に減少している。経済的苦境の中、多くの中国人は大都市を離れ、家賃の安い二・三線都市に移り住んでいる。現在、中国の多くの二・三線都市では家賃が1千元(約2万円)に満たないという。
記事は最後に、イラン戦争が中国経済にどれほどの影響を及ぼすかは現時点ではまだ不透明だが、いかなる分析であっても、過去3年間にわたる中国経済の持続的悪化という大局を切り離して論じることはできないと指摘した。デフレは経済構造全体を蝕んでおり、中国共産党がいかなる対応策を講じるにせよ、深刻なデフレという根本的問題を無視すれば、いかなる短期的措置もその場しのぎに終わるとした。
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