ホルムズ海峡の一時開放 イランの譲歩か それとも別の思惑か

2026/04/18
更新: 2026/04/18

イランは18日、ホルムズ海峡の通航を一時的に再開すると発表し、国際社会の注目を集めた。ただし発表後、イラン高官の間では、当初構想していた海峡通行料徴収計画が実現しなかったことへの失望感が広がっている。

イランのアラグチ外相はこの日、SNSのXで、レバノンの10日間停戦合意に基づき、ホルムズ海峡の通航を10日間、一時的に再開すると発表した。ただし、すべての船舶はイランが指定した調整航路を航行しなければならないとした。

発表を受け、国際原油価格は直後に11%急落し、海運回復への一定の期待感が市場に広がった。

開戦当初、イランは海峡通航を掌握することで西側諸国に圧力をかけ、通過タンカーに200万ドルの通行料を要求していた。しかし事情に詳しい関係者によると、イラン当局の手続き管理の混乱から、現時点で一切の入金が確認されておらず、高官の間で懸念が生じているという。

イランが海峡の再開を発表したものの、トランプ大統領はイランとの交渉が完全に終結するまで米軍によるイラン港湾封鎖を継続すると表明した。海峡が実質的に開放されるかどうかは依然として不透明との見方が大勢を占めている。

時事評論家の李林一氏は「ホルムズ海峡はイランにとって極めて重要なカードだ。それを手放すとすれば、二つの可能性がある。一つはイランが米国に何らかの譲歩を求め、米国がそれに応じたケース。もう一つは双方が真に合意に向かっているケースだ。ただし米国側から実質的な呼応は見受けられない」と述べた。

分析によると、アラグチ外相が言及した航路は、イラン沿岸寄りに位置し、平時はほとんど使用されない戦時限定の代替ルートだという。

時事評論家の鄭浩昌氏は「この件には疑いの余地がある。指定された2航路はララク島沿いを通るイラン側の海域で、イランが管理しやすく通行料を徴収しやすい。イランは依然として海峡の支配権を完全に手放すつもりはないとみられる。もちろんトランプ側もそれを承知の上で、イランが一歩引いた以上、この好材料を活用して士気を高め、その勢いで畳み掛けるだろう」と分析した。

通常、大手海運会社は安全を最優先とし、紛争終結と情勢安定を確認した後でなければホルムズ海峡のような高リスク海域への回帰を検討しない。それと比べ、中小の船会社はリスクを取りやすい。参考として、2023年12月にフーシ派が商船への攻撃を開始して以降、海運各社は紅海およびスエズ運河ルートを避け、攻撃が確認されなくなった後も数か月の様子見を経て運航を再開した。

鄭氏は「慎重な楽観論は持ちうる。しかし息をつく間もなく再び状況が悪化する可能性もあり、長期的な安定通航をどう確保するかは容易ではない」と述べた。

一方、イランが海峡開放を発表したのと同じタイミングで、フランスなど西側諸国の首脳がパリに集まり、ホルムズ海峡の安全な通航を確保する方策についても協議した。