総務省 自治体IT調達を認定品に限定 中国製を事実上排除へ

2026/04/21
更新: 2026/04/21

総務省は、サイバーセキュリティ強化を目的として、全国の地方自治体が使用するIT機器について、政府の評価制度で認定された製品のみの調達を義務付ける方針を固めた。対象はパソコンやタブレット、通信機器などで、認定製品には中国製が含まれておらず、事実上、中国製品は調達対象から排除されることになる。6月にも省令を改正し、来年夏からの運用開始を見込む。

総務省は、自治体がサイバー攻撃を受けた場合、「被害が政府機関へ波及する蓋然性が高い」としており、地方でも政府機関と歩調を合わせた対策の実施が必要だとしている。

中国企業製品の排除を巡っては、欧米で先行して措置が進められてきた。米国では、通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)や中興通訊(ZTE)、監視カメラ大手の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)など中国企業5社の製品を利用する企業からの政府調達を禁止する規則が、2020年8月13日に施行された。

この規則により、日常業務で該当5社の機器やサービスを利用している企業は、特例として免除を認められない限り、米国政府との取引ができなくなった。日本政府もすでに2019年から、ファーウェイやZTEと中国情報機関との結び付きが指摘されていることを踏まえ、政府調達から両社製品を事実上排除している。今回の自治体向け方針の拡大は、こうした厳格なサイバーセキュリティ対策を地方レベルにも広げるものといえる。

ジェトロによると、欧州連合(EU)でも、IT分野にとどまらず、医療機器の公共調達においても中国企業を制限する措置が発動されている。欧州委員会は2025年6月20日、EU域内の一部の医療機器公共調達から中国企業を排除する実施規則を採択し、同月30日から適用を始めた。

この規則では、概算価額が500万ユーロ以上の医療機器の公共入札から中国企業が排除されるほか、落札企業に対し、提供する医療機器の中国製割合を契約額の50%以下に抑えることが求められている。措置は、中国国内の医療機器の公共入札で、EU製を含む輸入品が実質的に排除されている状況を踏まえた対抗措置として実施された。

総務省による今回の調達基準の厳格化は、直接的なサイバーセキュリティ強化に加え、米国が主導するIT分野での中国製排除や、EUが進める公共調達における相互主義の徹底といった、欧米の経済安全保障政策の潮流と軌を一にする動きと位置付けられる。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます