ウイルス感染の船 スペイン到着 各国が帰国便手配

2026/05/11
更新: 2026/05/11

ハンタウイルスの感染者が確認されたオランダのクルーズ船「ホンディウス号」は、現地時間5月10日未明、スペイン領カナリア諸島のテネリフェ島沖に到着した。米国や複数の欧州諸国は、自国民の帰国に向け、航空機を派遣した。8日までに、このクルーズ船では8人の感染が確認され、このうち3人が死亡した。

スペインのフェルナンド・グランデマルラスカ内相は「フランス、ドイツ、ベルギー、アイルランド、オランダに向かう帰国便は、すでに手配されている」と述べた。

グランデマルラスカ内相は9日、各国の航空機に加え、EUがさらに2機を派遣し、残る欧州各国の乗客を帰国させると明らかにしました。

また、米疾病対策センター(CDC)は、米国籍の乗客17人を帰国させるため、医療専用機を派遣すると発表しました。乗客は帰国後、ネブラスカ大学で隔離と医療ケアを受ける予定です。

英国も、自国民22人を帰国させたうえで、イングランドの病院で一時的に隔離する方針を示しています。

米国と英国はさらに、空路での帰国手段を確保できない非EU市民についても、帰国できるよう支援する方針です。

一連の下船・帰国手続きは、厳しい感染防止対策のもとで行われます。

スペイン モニカ・ガルシア保健相は「まずスペイン国民が下船する見通しだ。すべての乗客は、追加の予防措置として下船時にFFP2マスクを着用する。バスによる移送や支援業務にあたる職員も、同じマスクを着用する」と語った。

下船は国籍ごとに分けて行われ、11日までかかる予定。クルーズ船が港の沖合に停泊後、乗客らは小型船で上陸。最初はスペイン人グループで、専用バスで空港に移動し、チャーター機で首都マドリードに向かった。

船会社は、乗組員17人を帰国させる計画だ。一方、残る乗組員と犠牲者の遺体は船内に残り、船は最終目的地であるオランダへ向かう。

ガルシア氏は「明確にしておきたいのは、犠牲者の遺体と所持品はカナリア諸島では降ろされず、一部の乗組員とともに船内に残る。その後、船はオランダへ向かい、現地で国際基準に従って全面的な消毒作業と、船内に残る物品の処理が行われる」と述べた。

WHOは、下船した乗客について、最後に感染リスクのある接触があった日から42日間隔離するよう勧告している。

ハンタウイルスは通常、人から人へは感染しない。しかし、「ホンディウス号」の患者が感染した「アンデスウイルス株」は、患者との密接な接触によって人から人へ感染することがある、例外的な種類とされている。ただし、公衆衛生の専門家は、大規模な感染拡大の可能性は極めて低いとしている。