中国の高校や大学で、学生による集団抗議が相次いでいる。厳しい管理体制や停電への不満など理由はさまざまだが、学生たちは夜の校舎や寮から声を上げ、「自由」をテーマにした歌を合唱している。
5月29日に海外SNSで拡散された映像では、湖北省陽新県(ようしんけん)の実験高校で、多数の生徒が校舎の窓から「自由花」を合唱した。生徒たちは自分たちの思いを書いた紙を中庭へ投げ、紙には「不自由なら死を選ぶ」といった言葉も記されていた。
その数日前の5月26日夜も、広西チワン族自治区の広西体育高等専科学校と桂林市(けいりんし)の桂林航天工業学院でも大勢の学生が寮の廊下に集まり、一晩中歌を歌って抗議した。ネット上では、長時間の停電でエアコンが使えず、30度前後の蒸し暑さに耐えられなかったことが原因と伝えられている。
学生たちが歌ったのは、香港の人気ロックバンドBEYONDの代表曲『光輝歳月』だった。「風雨の中でも自由を抱きしめる」「未来は変えられる」といった歌詞が、多くの学生の共感を呼んだとみられる。
さらに5月16日には、山東省済寧市(さいねいし)汶上県(ぶんじょうけん)第一中学で約2千人の生徒が集団抗議を行った。週末の下校時間を遅らせる学校側の決定に反発したもので、生徒たちはSNS上でこの行動を「起義」や「反乱」と表現した。結果的に学校側は方針撤回に追い込まれ、生徒たちは「勝利した」と受け止めている。
今回、ネット上で確認できた事例は数校にとどまる。しかし中国の学校では、問題が起きた際に生徒の携帯電話の使用を制限したり、写真や動画の投稿を禁じたりするケースも少なくない。そのため、表面化していない同様の出来事が他にも存在する可能性はある。
湖北、広西、山東と地域は異なるが、学生たちが集団で不満を表明する動きが相次いでいる点は共通している。停電への怒り、厳しい校則への反発、長時間管理への不満。きっかけはそれぞれ違う。それでも学生たちが選んだ言葉は「自由」だった。
動画が海外SNSに拡散されると、「中国の若者たちに希望を見た」との声が数多く寄せられた。
今回表面化した出来事は氷山の一角なのかもしれない。中国の学校では抗議やトラブルが起きても情報が封じられることが少なくないためだ。それでも夜の校舎に響いた「自由」の歌声は、多くの人に中国の若い世代の変化を感じさせるものとなった。
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