米軍がイラン港湾を再度海上封鎖 ホルムズ海峡危機で原油高も

2026/07/16
更新: 2026/07/16

米軍が7月15日、イランの港湾に対する海上封鎖を再開したことを受け、イラン革命防衛隊は直ちに強硬な警告を発した。中東地域における「アメリカとその同盟国に有利なすべての輸出ルート」を閉鎖すると表明した。

イランの警告は、ホルムズ海峡をめぐる危機をさらに高めるだけでなく、同国が同盟勢力を通じて、戦火を紅海の玄関口であるバブ・エル・マンデブ海峡にまで拡大させることを示している。

これにより、世界の主要な2つのエネルギー輸送路が同時に寸断されるリスクが浮上している。

イラン、地域のエネルギー輸出遮断を警告

イラン革命防衛隊は、イラン国営メディアを通じて声明を発表し、「この地域の石油と天然ガスの輸出は、すべての国が利用できるものでなければ、誰にも利用させない」と主張した。

同組織は、アメリカが「侵略」行為を停止しない限り、現在、世界の石油・天然ガス貿易の5分の1を担うホルムズ海峡の封鎖を続けると強調した。

専門家は、イランの警告について、同国がイエメンの同盟勢力である「フーシ派」を利用し、紅海とアデン湾を結ぶバブ・エル・マンデブ海峡を封鎖する可能性を示すものだと指摘している。

イランの英語ニュースチャンネル「Press TV」のウェブサイトによると、フーシ派高官は7月13日、サウジアラビアがイエメンへの攻撃を続けるなら、同組織はこの航路を閉鎖する用意があると警告した。高官は、その場合、原油価格が1バレル200ドルまで急騰すると述べた。

米軍、7時間にわたる大規模空爆

航行中の船舶に対するイランの継続的な攻撃に対応するため、米中央軍は15日未明、7時間にわたる集中的な空爆を実施し、イランの軍事目標数十か所を攻撃した。

米中央軍のブラッド・クーパー司令官は、過去1週間、イランが地域全体で「意図的に民間人を標的にした」攻撃を行ったと述べた。その中には7隻の商船への攻撃も含まれ、民間船員10人余りが死亡、行方不明、または負傷した。

クーパー氏は、イラン軍が周辺の湾岸諸国に向けて数十発のミサイルとドローンを発射したとも指摘した。そのうえで、「米軍は、民間人の生命を危険にさらすイランの継続的で一方的な侵略行為について、責任を追及する」と述べた。

現在、米軍はアラビア海に19隻の軍艦を展開している。その中には空母2隻、海兵隊員1千人超を乗せた強襲揚陸艦1隻が含まれ、同地域では数百機の軍用機も展開している。

今回の衝突は、米軍施設がある周辺国にも波及している。

イランは、バーレーンにある米第5艦隊の施設、クウェートの物流拠点、ヨルダンの空軍基地を攻撃したと主張した。

ヨルダン軍は15日、自国の防空システムが、イラン方面から発射された弾道ミサイル3発を領空内で迎撃し、撃墜したことを確認した。

供給途絶への懸念を受け、国際原油価格は15日も上昇を続けた。ブレント原油先物は1.7%上昇し、1バレル86.17ドルとなった。米国産標準油種のWTI原油も1.49%上昇し、1バレル80.52ドルとなり、いずれも1か月ぶりの高値に達した。

トランプ氏、最後通告を突きつける

トランプ氏は14日、メディアの取材に応じ、イランに最後通告を突きつけた。「合意したほうがいい。さもなければ、すべてを失うことになる」と述べた。

トランプ氏は、イランが交渉の席に戻ることを拒否した場合、来週の米軍の攻撃対象はイランの発電所と橋になると警告した。

当初、トランプ氏は海峡を通過する船舶に対し、20%の護衛料を課すことを検討していた。しかし、湾岸諸国の首脳らがアメリカに数十億ドル規模の投資を行うと約束したことを受け、同計画を取り消すと発表した。

現在も地域の仲介者らは、脆弱な一時停戦合意を維持するため、双方を交渉の席に戻そうとしている。