中共「民族団結法」に国際反発 海外54団体が共同声明 米議会も対抗法案

2026/07/20
更新: 2026/07/20

中国共産党(中共)の「民族団結法」が施行されてから2週間足らずで、国際社会の反発が急速に強まっている。海外の54団体が共同声明を発表し、各国政府に公然と反対を表明するよう呼びかけた。一方、米国では超党派の議員が「越境弾圧停止法案」を提出した。専門家は、海外の市民団体による国境を越えた連携から、米議会による立法の動きに至るまで、国際社会が中共による越境弾圧への対応を強めていると指摘している。

中共の「民族団結進歩促進法」は7月1日に施行された。これ以降、国際社会での反発は広がり続けている。

7月13日、英国の人権団体「香港ウォッチ」の呼びかけにより、世界各地の海外在住者団体や市民団体など54団体が共同声明を発表した。声明は各国政府に対し、中国の国内法には域外での法的効力はなく、他国に住む人々に適用することはできないと表明するよう求めている。

共同声明には、海外の香港人、ウイグル人、チベット人、台湾人などの団体が参加した。声明はまた、各国の立法機関に対し、関連法を改正し、自国内に住む香港人やその他の海外出身コミュニティを守る仕組みを強化するよう求めた。さらに、中共による越境弾圧を防ぎ、対抗すること、各国の法執行機関が関連案件を調査すること、国連が同法の実施状況を継続的に追跡することなども呼びかけている。

海外中国人権弁護士連盟の代表である呉紹平氏は共同声明について、中共の越境弾圧に反対する動きが、個別の批判から組織的な共同対応へ移りつつあることを示しているとみている。

海外中国人権弁護士連盟の代表、呉紹平氏は「中共の民族団結進歩促進法は、施行から2週間もたたないうちに、これほど強い市民社会の反応を引き起こした。この法律が国際社会全体に影響を及ぼしていることが分かる。市民社会は、これまでの個別の批判から、より組織的で、より結束した形で、中共による問題に共同で対応する段階へ移っている」と分析した。

一方、北京の弁護士だった頼建平氏は、各国が公然と反対を表明するかどうかにかかわらず、中共の国内法に域外での法的効力がないという性質は変わらないと指摘している。

頼氏は「この法律の性質は、各国が反対を表明するかどうかによって変わるものではない。主権国家の法律は、外国政府の態度に左右されるものではないからだ。ただし、潜在的な危険がある。中共政権を批判した人は、たとえ中国国籍を持たない外国人であっても、中国に入国した場合、あるいは中共と犯罪人引き渡し条約を結ぶ国に渡航した場合、危険にさらされる可能性がある。中共は、そうした国にいわゆる容疑者を逮捕させ、中国へ引き渡させることができる。主な危険はそこにある」と述べた。

同時に、米議会でも新たな動きが出ている。7月14日、米上院の共和・民主両党議員が共同で「越境弾圧停止法案」(Stop Transnational Repression Act)を提出した。この法案は、中共やイランなど外国政府が米国内で行う越境弾圧への取り締まりを強化することを目的としている。

米上院関係者はロイターに対し、中共の「民族団結法」が、この法案提出を促した直接の要因だと述べた。

呉紹平氏は、これは象徴的な動きだと指摘する。法案が最終的に成立すれば、民主主義国が中共の越境弾圧に対応する方法は、政治的な表明から制度づくりへ移行し始めたことを意味するという。

同氏はまた、「このような立法が行われれば、法執行機関はより明確な法的根拠を持つことになる。中共の越境弾圧行為、海外工作員、海外代理人を取り締まるうえで、より有効な法的手段を持つことになる。同時に、この法律は越境弾圧に対する処罰を明らかに強化している。一般的な刑事事件として扱うのではなく、越境弾圧行為と認定されれば、刑期は大幅に重くなる」との見方を示した。

頼氏は、これまで政治的な非難にとどまっていた対応と比べ、米議会が関連法案を進め、実際に法律となれば、法的拘束力と実行性を持つことになると指摘する。これは、中共の越境弾圧に対する対応が新たな段階に入ったことを示すという。

「これまでは政府レベルで、中共の法律や行政措置に対して、世論面、政治面での非難や表明を行うにとどまっていた。しかし、それが議会レベルに上がり、法律として成立すれば、性質はまったく異なる。実行可能性を持ち、政府に執行義務が生じる法律となる。これは対応の格上げであり、相応の対抗措置だといえる」

米国、EU、台湾はこれまでに、中共の「民族団結法」に対して相次いで懸念や反対を表明している。今後、さらに多くの民主主義国が立法やその他の制度的措置を通じて対応するかどうかが注目される。