中国では、図書館の無料Wi-Fiを使って海外サイトを見ようとしただけで、当局に把握される時代になっている。
湖南省の図書館は、無料Wi-FiでVPNを利用した読者を検知し、館内のWi-Fiを停止。対象者の携帯電話番号の一部も公表した。
中国では「グレート・ファイアウォール」と呼ばれる巨大なネット検閲システムによって、GoogleやX(旧Twitter)、YouTubeなど多くの海外サイトが利用できない。そのため、一部の利用者はVPN(規制を回避して海外サイトへ接続する仕組み)を利用している。
今回の出来事を受け、中国のSNSでは「公共Wi-Fiまで監視されているのか」「もう怖くて使えない」「見せしめではないか」といった声が相次いだ。一方、海外からは「公共Wi-Fiが市民の利便性を高めるサービスではなく、監視の道具になっている」との批判も上がっている。
台湾のシンクタンク「国防安全研究院」の研究員、沈明室氏は、中国を訪れる外国人に対し、「個人情報が入ったスマートフォンやパソコンはできるだけ使わず、必要ならデータが入っていない端末を持参したほうがよい」と警告する。その理由について、「仮に端末を調べられても、個人情報が入っていなければ情報を抜き取られるリスクを減らせる。中国では、それほど高いレベルの情報セキュリティ対策が必要だ」と指摘した。
今回のケースは、図書館の無料Wi-Fiであっても利用者の通信が監視対象となり、海外サイトへのアクセスまで把握される実態を改めて示した。専門家は、中国ではホテルや駅、空港、商業施設などでも公共Wi-Fiが広く利用されていることから、外国人旅行者や出張者も安易に接続しないよう注意を呼びかけている。
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