熊本地震で半導体・自動車に影響 TSMC再開 トヨタ停止延長

2026/07/29
更新: 2026/07/29

熊本で発生したM7.1地震が九州の産業に波及。TSMC熊本工場は安全確認後に段階的再開する一方、トヨタ・ホンダは操業停止を延長。爆発事故も発生し、人的被害とサプライチェーンへの影響が広がっている。

TSMCの熊本工場は建物の安全を確認し、操業を段階的に再開している。一方、トヨタとホンダは一部の工場について7月31日まで操業を停止する方針である。

商業施設で爆発 3人死亡・4人不明

被害が大きい嘉島町のイオンモールでは一部が崩壊し、地震発生からおよそ1時間後に爆発とみられる事象が起きた。

救助隊は瓦礫の中から8人を救出したが、3人の死亡が確認された。従業員およそ2700人のうち、4人が行方不明となっている。

現場ではガスの臭いを確認しており、当局がガス漏れとの関連を調べている。来店客は地震後に避難していた。

また、日本製紙の八代市の工場では煙突が倒壊し、11人の従業員が一時取り残された。4人は救助されたが、2人は心肺停止の状態で発見され、さらに2人が重傷を負った。残る7人の行方は分かっていない。

TSMC熊本工場 操業を段階的に再開

TSMCは、子会社JASMが運営する熊本の半導体工場について、地震後に従業員を避難させ、安全を確認したと発表した。

会社は「建物の構造検査は完了し、安全性を確認した。操業は段階的に再開している。影響の詳細については引き続き評価を進めている」としている。

建設中の第2工場については被害は確認されていないが、余震の可能性を踏まえ、一部の工事を一時停止している。

全面的な操業再開の時期は明らかにしていない。

関係者によると、TSMCは7月29日午前、台湾南部科学園区の工場からおよそ60人を日本に派遣し、1週間以内の全面復旧を目指しているという。

熊本第1工場の月産能力はおよそ2万枚で、主に成熟プロセスを担っている。TSMC全体の生産能力に占める割合はおよそ2.6%、売上では2026年のおよそ1%とされ、影響は限定的とみられる。

一方で、同工場はソニーのイメージセンサーやデンソーの車載向け半導体などを生産しており、短期間での代替は難しいとの指摘もある。

トヨタ・ホンダ 操業停止を延長

トヨタ自動車は、一時生産を再開したものの、宮田・神田・小倉の3工場について7月31日まで再び操業を停止し、サプライチェーンや物流への影響を確認するとしている。

会社は「余震や復旧作業の状況は日々変化している。安全を最優先に対応する」としている。

宮田工場ではレクサス車を生産しており、年間生産能力はおよそ43万台である。他の2工場ではハイブリッド車向け部品やエンジンを製造している。

ホンダも熊本の二輪車工場の操業停止を31日まで延長し、設備の点検と修復を進めている。

ルネサスエレクトロニクスは熊本の2つの工場で操業を停止しており、天井の落下や壁のひび割れ、漏水などを確認している。

ソニーも従業員を避難させ、熊本の半導体工場の操業を停止した。

東京エレクトロンは大きな損傷は確認していないとしているが、安全点検のため操業を一時停止している。

陳霆