中共の国防研究機関 海外426機関と交流 米機関は123

2026/08/28
更新: 2026/08/28

8月24日、米空軍傘下の中国航空宇宙研究所(CASI)は、中国共産党(中共)の国防研究機関が世界の研究ネットワークとどのようにつながっているかを分析した報告書を発表した。

236ページに及ぶ報告書「中国国防研究所の世界的足跡 外国機関との接触と協力」では、中共の国家レベルの国防研究施設98か所の公開資料を調査した。2015年から2025年までの11年間に確認された外国機関との交流731件を追跡し、中共の国防研究機関が海外の研究機関と築いてきたつながりを明らかにした。

これらの研究施設は、中共の軍事・国防研究の中核を担い、重要分野や先端分野の研究に携わっている。報告書によると、これまでに交流や協力関係が確認された外国機関は426機関に上り、このうち123機関が米国にある。

報告書はさらに、交流や共同研究など131件の事例を詳しく分析した。その結果、外国機関と中共の軍事研究機関との交流は幅広い技術分野に及び、一部の技術は中共軍の先端兵器開発に利用される恐れがあることが分かった。対象となった分野には、極超音速技術やミサイル、海軍・空軍の戦力強化に関わる技術、電子戦、先進通信などが含まれる。

例えば、通信機器大手シスコは2019年、中共軍が主導する共同プロジェクトに参加した。このプロジェクトでは、電子通信の妨害への耐性を高める技術を扱っており、軍事用途にも直接利用できるという。

また2021年には、テネシー大学ノックスビル校が、中共の「弾道ミサイルによる防衛網突破技術」を研究する重点実験室に関連した共同研究に参加したと指摘されている。同実験室は中共ロケット軍研究院の傘下にあり、敵の防空網やミサイル防衛網を突破する技術を主に研究している。

今回の報告書は、外国機関との研究交流が、中共の軍事研究網にどのようにつながっているかを浮き彫りにした。これまで西側諸国では個々の研究交流に目が向きがちだったが、その背後にある中共の軍事研究体制への警戒も強まっている。

馬克氏は、「非常に警戒すべき問題だ。特に航空宇宙分野の企業は、軍事転用が可能な機密性の高い技術を数多く扱っている。表向きは中国の民間技術開発への協力であっても、中国では技術基盤がほとんどない、あるいはまだ弱い分野もある。そうした分野で技術支援を受ければ、民間向けの技術であっても、短期間で軍事用途に転用される可能性がある」と語った。

台湾国防安全研究院戦略資源研究所の蘇紫雲所長は、中共が民生用として海外から技術や資材を導入し、軍事転用する動きは20年以上続いており、西側諸国への脅威になっていると指摘した。

蘇氏は、「例えば、中共はウクライナからタービンエンジンなどを導入し、退役した空母も購入した。それが現在の空母『遼寧』になった。日本は2010年以前から、兵器関連の部品や技術を個別に中国へ売却すれば、日本や台湾への軍事的脅威を高めることになると、EUに何度も警告していた。こうした手法は商業分野でも見られる。西側企業が中国に投資した後、中共に技術を盗まれ、その技術をもとに中国企業が競争力を高め、結果として西側企業が中国市場から追い出されることがある。民間市場ですらこうした事態が起きている以上、軍事技術ではなおさらだ。西側の民主国家自身への脅威になる」と述べた。

馬克氏は、西側企業や研究機関の中には、自らの技術力に自信を持ち、中共に移転される技術について「すでに古い」「高度ではない」と考えているところもあるかもしれないが、それでも大きなリスクが残ると指摘する。

「たとえ中国に渡したのが、こちらでは時代遅れと考えられている技術であっても、中国はそれを複製し、改良した上で大量生産できる。そこが最大のリスクだ。安価な兵器や旧式兵器を大量に使い、相手に高性能兵器を大量に使わせて消耗させることができる。そうなれば米国や西側諸国は危険な状況に置かれる。すでに最先端ではない技術であっても、中共に渡してはいけない」と主張した。

こうした交流に関与した中共の軍事関連機関の多くは、すでに米商務省のエンティティー・リストに指定され、輸出規制などの対象となっている。

米国防総省は今年、国防総省の資金を受ける基礎研究について、中国軍事企業リスト(国防権限法1260H条リスト)に掲載された企業との研究協力を禁止すると発表した。

さらに国防総省は今月、米国の大学30校に対し、外国機関との研究協力関係を改めて審査するよう求めた。中共軍や国防関連機関との関係が重点的な確認対象となっている。