中国国家統計局長 統計粉飾の普遍性について率直に述べる

2005/05/27
更新: 2005/05/27

【大紀元日本5月27日】最近の「南方週末」において、中国官僚統計粉飾に関する汪金友の記事が掲載されたが、この記事は、中共当局の各層による統計粉飾の真相を具に明らかにしている。国家統計局長(李徳水)は、統計の粉飾問題が既に“歴史的な難病”となっており、全国において“一定の普遍性”があると率直に述べている。

報道によると、多くの中国人にとって、統計の粉飾に関するニュースは既に“新鮮でない”状況になっているが、それは、粉飾が“常に”“どこにでも”ある話だからである。粉飾が発見され、取調べを受けるのは“一定の普遍性”の中の“ごく少数”にすぎない。より多くの統計粉飾者は、長年“平穏無事”に官位を勤め、かつこのうち少なくない人が、“粉飾が巧妙”で、“粉飾が有効”に働き、着実に小官から高官へと昇りつめていくのである。

報道内容を列挙すると、5月中旬、湖北省は2件の統計粉飾事件を発見した。その一つは、黄梅県統計局が2003年に工業生産額4.2億元分を偽って報告し、2004年の上半期には、既に生産を停止している3つの企業の生産額1.5億元を偽って報告した話である。もう一つは、漢川市脈旺鎮が2004年の全国統計調査の際に発覚したこととして、実際の個人経営者の収入がわずか8000万元しかないのに10億元と報告し、実際の数字よりも9億元余り水増ししていたという話である。

李徳水の紹介によると、2001年から2003年にかけて、全国において嘘、隠蔽、偽造、改竄された統計資料が全体の60%を占めた。また、彼が率直に述べたところによると、統計の粉飾は既に頑固な“官僚病”、“社会病”となっている。

では、この“病根”はどこにあるのか?“内部”なのか、それとも“外部”なのか?“上(地位的に)”なのか。それとも“下”なのか?

汪金友は、質問に対して次のように答えた。

その1:指標(ノルマ)の圧力で、下層の幹部の多くが“達成不可能な任務”を引き受けている。黄梅県を例にとると、上層部が県に下達した2003年の工業生産額の任務は23億元で、この数字は県の人民代表大会で可決された後に“法定指標”となった。年末になって下から上がって来た統計数字はわずか19億元で、この数字は上層部が要求した任務に比べて4億元余り少なかった。どうすればよいのか?一つは事実のとおり報告することであるが、そうすれば“市全体の足を引っ張り”、書記、県長が批判、仕打ちを受け、ひいては失職・左遷の憂き目に遭う。もう一つは県の統計局長に圧力をかけ、彼らに“統計のやりなおし”をさせ、“報告すべき数字を報告する”ことである。書記や県長がよほどの“大まぬけ”でなければ、ほとんどが後者を選ぶであろう。なぜなら、“銃口にぶつかる”ことさえしなければ、“円満に任務を完了”することができるからである。

その2:吹いたホラを収められず、上層部がますます大きなホラを吹く一方、下に就いた者は一緒になってホラを吹くしかない。1番目の郷長が在任時に個人経営者の収入を5億元と偽って報告すれば、2番目の郷長は6億ないしそれ以上の金額を報告するほかない。こうして、2番目の郷長の在任が3年になった場合、3番目の郷長が着任するとき、基礎となる数字は既に8億元にまで達している。彼が取るべき唯一の策は、吹かれたホラを続けて吹くことである。この2番目と3番目の郷長がなぜ統計の水増し分を除去しようとしないのかと疑問に持つ人もいるだろう。彼らは、このように振舞わなければ、“ゲームのルール”を破ってしまうことになるのである。なぜなら、“後任が前任を否定する”ことは官僚が忌み嫌うことであり、周囲の官僚に見下されるばかりか、上層部からの信任も無くなってしまうのである。

その3:上の責任を下が負い、このために出鱈目な帳簿が生まれている。多くの人は、統計を粉飾する者が最大の受益者であると考えているが、実際は異なる。ある郷・鎮の郷・鎮長が統計の粉飾を行った場合、最大の受益者となるのは彼らではなく、県長である。20の郷・鎮を擁する県を想定し、各郷・鎮が個人経営者の収入を1億元ずつ多く報告すれば、県全体で20億元増加したことになる。これが、大きな“政治的実績”となるのである。したがって、統計の粉飾が発生している地方のほとんどにおいて、市・県の指導者の暗示、支援、黙認がある。問題が起こらなければ、上も下も幸せで、県長が出世し、郷長も併せて出世する。しかし、一度問題が発生すると、責任は全て下の方に帰することになる。

多くの地方の指導者は、常に下に対して“数字を求める”が、“数字を調査する”ことは非常に少ない。しかし、“数字を調査する”ことは、“数字を求める”ことよりも重要である。調査をしなければ“実際の数字”は得られないし、“偽りの数字”を放任することになる。こうした虚偽の数字を下から上へと積み上げて現れてくるのが、中国経済の全貌である。すなわち、経済は高成長であるが、株式市場は崩壊に瀕し、農民や労働者は苦境にあえいでいるのであるー-大陸のある人はこう語っている。

関連特集: 日本経済