中国の臓器売買と人体標本の疑惑を語る一体の人体標本

2006/03/21
更新: 2023/02/19

ドイツのナチス後裔ギュンター・フォン・ハーゲンス氏は中国大連で世界最大の人体標本製造工場を経営している。1500万ドルを投資したハーゲンス氏の大連での「遺体工場」は約3万平方メートルの敷地面積で、看板は掲げていない。工場は現在更に規模拡大の建設を行っている。胎児を含め様々な年齢層の人間の遺体をプラスティネーション実物標本に製作し、世界各地で展覧会を開いている。この商売でハーゲンス氏は、9億ドル以上の利益を得たという。

「ハーゲンス氏人体標本展」の中、最も論議をかもし出したのは、妊娠中の若い女性と腹中の8カ月胎児の標本。中国の法律では、妊娠中の女性には、死刑を実施することはできない。また、事故死の場合、死者の遺体を大事にする文化の中国では遺族は親子の死体を人体標本にすることを承認するとは考えにくい。この親子はどのような経緯で人体標本になったのか。この女性の遺体標本を含めて、「ハーゲンス氏人体標本展」に展示されている大量の人体標本を製作するための遺体は、一体どこから来たのだろうか?

世界の臓器移植中心となっている中国

2006年3月5日、中国紙「長春日報」の関連紙「影視図書週報」19版は、「中国が世界の臓器移植の中心地となった」と題する文章を掲載した。この記事は、天津市第一中心医院で肝臓移植を受けた韓国人患者の例を取り上げ、「韓国では夜空の星を摘み取るほど生態肝移植(健康者の肝臓の一部を移植する)を受けるのは困難だが、中国では、『品質極上』の肝臓を丸ごと、安易に入手できる」と患者の「感激の声」を伝えている。

「影視図書週報」の報道には、韓国人患者の家族の話が引用されている。「天津で検査を受け、一週間後にはすぐ適合する臓器が見つかった」という。そのほか、「概ねの統計によると、この3年間で約3千人以上の韓国人が中国で臓器移植を受け、その他の国の患者も毎年千人以上が中国を訪れている」「イスラエルの新聞報道によると、毎月約30人のイスラエル人が中国で臓器移植を受けている」と報じた。

一方、韓国紙「朝鮮日報」は、「大韓臓器移植学会」の情報を引用し、「1999年から2001年までに計7人の韓国人患者が中国で臓器移植を受けたのに対し、2002年から患者数が急激に増加した。北京のある臓器移植機構の責任者は、中国各大都市の有名病院で臓器移植を受ける韓国人の患者数は毎月70~80人おり、全国合計で年間1千人以上に達すると明かした。そのほかにも多くの国の患者が中国に駆け込んでいる」と報じた。

さらに「大韓臓器移植学会」の総務理事で、ソウル大学の病院に在職する河鐘遠氏は、学会が調査した人数は「氷山の一角」にすぎず、実際に中国で臓器移植を受けた韓国人患者はもっと多いだろうと述べた。

臓器提供者は20代、30代の若者

「影視図書週報」の報道によると、患者の間では、これらの「品質極上」の臓器提供者は、20代、30代の若者が中心で、身元は分からないという情報が流れているという。すでに数万人の外国人が中国で臓器移植を受け、臓器は死刑囚から摘出されたものだと説明されている。

大紀元記者は、瀋陽陸軍病院総院、瀋陽軍区空軍中心病院、北京朝陽医院など、腎臓移植手術を受けたいという理由で調べたところ、腎臓の提供元は、極一部は親族の提供だが、そのほかは全て囚人から、しかも生きた体から器官を摘出するという。これらの病院の医者によると、中国の病院では、腎臓の提供元はほとんど囚人から、全て生きた体から摘出するものという。腎臓の質を保証でき、全て健康な若い人からだという。一人の医者は、提供者は、死刑囚のみではないと答えたが、詳細は本人と病院の責任者しかわからないという。

腎臓器官移植の手術件数は多く、日本、韓国などの海外から来た患者も多いという。手術の成功率は、90%以上で、料金は6万から12万人民元(日本円90万~180万相当)。患者が病院に入院してから、何日間も待たずに素早く手術が受けられるという。

「四六三病院」のある医者によると、当院では腎臓移植手術は平均毎月10数例以上あるという。

中国ではいったいどこからこんなに大勢の20代、30代の死者が集まるのか。この年代はほとんどが「一人っ子政策」の下で生まれた若者で、両親は亡くなった唯一の我が子の臓器を売り出したりするだろうか?疑問は多く残る。

臓器売買で大儲けした「病院」

「影視図書週報」には、天津市第一総合病院は臓器売買で大儲けした「病院」の1つとしてリストされている。この病院の移植外科学部のもうひとつの名称は「東方臓器移植センター」であり、世界最大の臓器移植機構ともいえる。看護主任の李蓮氏は取材で、「2002年から大勢の韓国人患者を受け入れ始め、病院の入院施設では対応できなくなり、付近の別の病院の病室や、近くのホテルの2つのフロアーを借り切った。しかし、それでも足りないため、近いうちに約500人の患者を収容できる入院棟の新しいビルが完成し、2006年5月から使用可能だ」と「商売繁盛ぶり」を語っている。

同紙によると、「2004年末まで、この病院は計1500例の肝臓移植や、800例の腎臓移植を成功させ、角膜移植もしている。2004年だけで、900例近くの肝臓と腎臓移植を成功させた。移植中心の医療主任・瀋中陽氏によると、2005年1年間で650例の肝臓移植を行った」。「この病院では、2005年12月16日からの2週間で53例の肝臓移植をした。情報筋によると、最も多いときには、一日24例の肝臓と腎臓を移植した」という。

2週間に53例の移植、一日に24例の全体肝臓と腎臓移植を行うには、この病院の臓器移植だけで、53人の臓器提供者が2週間の間に死亡し、ある日では24人の臓器提供者が死亡しなくてはならないことを意味する。いったいどこからこんなに大勢の臓器提供者が集まるのか。

当病院が退院する移植患者に提出する記録表には、臓器提供者の死因は一律「急性脳挫傷」と書かれている。記者がなぜ臓器提供者の死因が全部同じなのかと質問したところ、当病院の移植責任者の瀋中陽・医療主任は、言葉を濁し、明確な答えを避けている。

臓器は大量虐殺されている法輪功学習者のものか

移植患者の家族によると、早いときには1日、2日待つだけで適合する臓器が見つかるという。臓器提供者はいったいどこから集まるのか。外部の人は疑問を抱き続けている。

なぜ2002年から中国での臓器提供者が急激に増加したのか、こんなにたくさんの臓器を提供する死者はいったいどこから集まったのか。中国人の考え方からすれば、ほとんどの人が死後の臓器提供に同意しないはずだ。

政府側の発表では、臓器は死刑囚からだという。中国衛生部の副部長・黄潔夫氏は2005年7月、国際社会に対し「中国の臓器提供者はほとんど死刑囚である」と発言した。

しかし、上記の中国紙の報道では、「世界の臓器移植中心地である中国において、国内の肝臓移植の臨床経験と理論に関する論文は国際医学界に認められていない。その主要な原因は、論文の作成者が臓器提供者の身元を明かせないからだ」と報じた。このことから、中国衛生部の副部長が嘘をついていることがわかる。

ハーゲンス氏が製作した人体標本の中には、8カ月の胎児をお腹に抱えた若い妊婦があり、論議を呼んでいる。中国の法律では、妊婦を処刑できないと定められている。例え交通事故で亡くなったとしても、遺族が2人の身内の遺体を人体標本にすることに同意するはずがない。違法収監された法輪功学習者としか考えられないとの説が浮上している。

1999年7月20日、中共政権は全国約1億人の法輪功学習者に対する集団迫害を開始した。江沢民前総書記が指揮する下で、法輪功学習者に対し、「名誉を貶し、経済力を絶ち、肉体を消滅させる」「法輪功学習者を殺しても、責任はない。自殺とすればいい」との内部通告が伝達されている。

最近報道された、中共政権に追われ米国に逃亡した中国人ジャーナリストR氏の証言により、臓器摘出のために法輪功学習者を殺害する大型秘密収容所が東北部の瀋陽市蘇家屯地区に存在することが明らかになっている。R氏と連携する内部情報筋によれば、この秘密刑務所には東北地区の法輪功学習者約6千人が監禁されている。そのほか死体を処分する焼却炉が設けられ、臓器を摘出する専門医が多く駐留している。法輪功学習者は生きたまま刑務所から出ることがなく、殺害された後、臓器が摘出され、死体は所内で焼却されるという。 

この秘密収容所が設置されている病院の元スタッフ(現在海外に在住している)と自称する女性が最近、弊社にさらに詳細な内部情報を提供し、数千人の法輪功学習者から臓器が摘出されていることを証言した。

法輪功関連サイト「明慧ネット」」3月19日付の報道で、大量の法輪功学習者が集団に東北部に送られて行方不明のままとの証言が報じられている。ある証言者によると、2001年1月上旬、法輪功の冤罪を訴えるため、彼は北京に向かったが、公安当局に逮捕され、大勢の法輪功学習者と一緒に監禁された。ある日の午前3時、緊急集合を命じられ、1人の警官は怪しげな表情を浮かべながら、「法輪功の修煉を放棄しなければ、おまえたちを2箇所の『良い所』に送ってやる。1つは『馬三家教養院』(法輪功学習者に対する残虐な監禁、拷問で悪名高い東北部の大型収容所)、もう1つは…うん、言えないな」と漏らした。全国各地で逮捕された法輪功学習者は40人乗りのバス60台に乗せられ、東北部に出発した。その後大半の人の消息が途絶え、行方不明になったという。もう1人の証言者によると、2000年末ごろ北京の収容所に監禁されたとき、警官に自分の名前を絶対に明かさない大勢の法輪功学習者が2日ごとに大型バスで東北部に送られたと証言している。当時の警官は「東北部のあるところに送り届け、おとなしくさせてやる」と漏らしたという。 

一方、臓器摘出のための大型秘密収容所の存在が暴露される以前から、「明慧ネット」では、中共警察に殺害された法輪功学習者の遺体に、臓器が摘出された痕跡があることを、実例を挙げて報道していた。以下は報道されたいくつの事例:

王斌氏(男、享年44歳)は、黒竜江省に在住する法輪功学習者、生前は大慶油田の探査開発研究所のコンピューター・ステーションのソフトエンジニアだった。2000年9月24日大慶市男子労動教養所で警官・ヒョウ喜などから酷刑拷問を受け死亡した。死後心臓や、脳組織などの臓器が摘出された。

黒龍江省ハルピン市第三火力発電所に勤務する技術者・任鵬武氏(男、享年33歳)は、法輪功の冤罪を訴えるビラを配布したとして、呼蘭区の第2看守所に監禁された。5日後の21日、公安当局は家族に任鵬武氏が死亡したと通告した。遺体の損傷が激しいため、家族は写真撮影しようとしたが、警官に禁止された。その後家族の同意を得ずに、死者ののどから下半身までの臓器は全部摘出され、強制的に火葬した。

カク潤娟氏(女、享年28歳)は、広州の柯子嶺の住民だった。 2002年2月25日広州白雲区の警官に違法逮捕され、22日後に旦那さんには同氏が死亡したと通知された。遺体と対面したときに、あまり損傷が激しいため、家族は本人であると確認できなかった。その後、2歳の息子の血液を検査した結果、遺体はカク潤娟であることが確認された。内情を知る人の証言によると、カク潤娟は生前様々の酷刑を受け、さらに黄色い薬物のようなものが大量に鼻から管で強制注入され、激しい嘔吐を繰り返したという。死後警察は家族の了解がないままで、遺体を解剖し、内臓の一部を取り出した。状況から判断すると、薬物の実験台にされた可能性が高い。

楊麗栄氏(女、享年34歳)は、河北省保定の定州市住民だった。法輪功の修煉を放棄しないため、毎日警官が自宅に現れ、一家を脅迫・騒乱し続け、さらに高額の罰金が徴収され、本人は3回も洗脳センターに収監された。2002年2月8日夜警官は楊家を違法家宅捜索した。次の日の早朝、夫は楊麗栄氏の首を絞め、殺した。当時10歳の息子さんは一部始終を全部目撃した。夫の自首の通報を受け現場に駆けつけた法医学者は、その場で遺体を解剖し多くの臓器を摘出し持ち去った。目撃者の証言によると、臓器から熱気が立ち上り、血は当たりの地面を赤く染めたという。

左志剛氏(男、享年33歳)は、駐中国フィリップ社子会社に勤務する電気製品の修理技師で、河北省石家荘市中山路の瑞光コンピュータ会社に在職していた。2001年5月30日、左氏が結婚する前日に、警官に違法逮捕され、一夜で死亡した。公安当局は首吊り自殺と説明しているが、左氏は身長172センチで、自殺場所とされている刑務所の扉は160センチの高さだった。遺体には激しい損傷があり、背中の腰あたりには2つの正方形の大きな穴が開き、臓器が取り出された模様。遺族は納得しないため、いまだに遺体は火葬されていない。

楊瑞玉氏(女、享年47歳)は、福州市台江区の房産局に在職していた。2001年7月楊氏は仕事場で違法逮捕され、三日後死亡した。遺族と同僚らは遺体に接近することが禁止され、福州市公安局のパトカーに乗せられ、火葬場に運ばれ、火葬された。関係者は死者の腰の後部には拳の大きさの穴が開いていると目撃した。

孫瑞健氏(男、享年29歳)は、武漢体育学院を卒業した後、福州市で就職した。2000年11月直訴するために北京に出向かい、公安当局に逮捕された。12月1日家族は同氏が走行中の列車から飛び降りる際に死亡したと告げられた。最初には、当局は遺体との対面を禁止したが、最後に遺体と会わせたときに、腹部や胸部はすでに解剖されていた。体には拷問を受けた傷跡が鮮明に残っている。

王行塁氏(男、享年35歳)は、山東省臨沂市の燐酸肥料・工場に勤務していた。2001年8月21日、法輪功の冤罪を訴えるスローガンを書いたため、公安当局に逮捕され、16日後に死亡した。死後三日後に、陽谷県公安局は家族に知らせた。内情を知る人は、王氏は酷刑拷問で死亡し、解剖された後、県医院に搬送されたと漏らした。県医院のある医者もこの情報の信憑性を証明し、臓器が取り出された可能性を示唆した。一方、陽谷県公安局などは「明慧ネット」記者の電話取材を拒否した。

広州市白雲区戒毒所(麻薬常用者を更生される施設)に収監されていた人が提供した情報によると、同収容所内では、法輪功学習者も多く監禁されている、警官は常に麻薬者に法輪功学習者を暴行するよう命じ、所内の医者はその都度に腹部や、腰、目を殴らないように強調した。「腰を絶対に殴るな、腎臓には大事の用があるからだ」という。一緒に監禁していた東北地区に在住する法輪功の中、青年男性は、ある日連れ出されたが、二度と戻らなかった、地方の法輪功学習者は逮捕され、殺されても、家族が知らないため調べる術もないという。

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