EU副議長と面会した法輪功学習者行方不明、通訳の米国人が救援呼びかけ

2006/06/01
更新: 2006/06/01

【大紀元日本6月1日】欧州議会副議長エドワード・マクミラン-スコット氏はこのほど、中国で三日間の調査を行い、法輪功学習者二人と面会した。面会直後に通訳を担当した米国人ジリオッティ氏は中共警官に強制連行され、法輪功学習者二人も行方不明になった。後に釈放されたジリオッティ氏は、逮捕された法輪功学習者二人が非常に危険な状況におかれており、国際社会に緊急救援を呼びかけている。

スティーブン・ジリオッティ(Steven Gigliotti)氏は、今回の面会で通訳を担当した。面会終了後、ジリオッティ氏が中共の私服警官に強制連行され、24時間の尋問を受けた後、米国に強制送還された。

ジリオッティ氏は5月29日、大紀元の取材を受け、事の一部始終を明かし、国際社会に対し、スコット副議長と面会した法輪功学習者二人の安否に関心を寄せるよう呼びかけている。ジリオッティ氏によると、現在この二人に連絡が取れなくなり、命の危険にさらされている可能性が高いという。

スコット副議長が今回の面会を行った目的は、中共による人権侵害の真相を調査し、法輪功学習者への集団迫害の事実を調べるためであるという。

ジリオッティ氏によると、面会は北京市のあるホテルで行われ、スコット副議長は法輪功学習者二人から、自身や親族、友人らが受けた不法逮捕、不法懲役、拷問などの迫害について、詳しく説明を受けた。そのほかにも、同副議長は法輪功の概況や、法輪功学習者が生きたまま臓器を摘出されている虐殺の実情などについても、話を聞いたという。

面会終了時に、スコット副議長が「今回の面会で、命の危険が生じる可能性はあるのでしょうか」と尋ねたら、法輪功学習者は二人とも「そうです」と答えた。これを聞いたスコット副議長は非常に驚いて、二人に自分の名刺を渡し、「問題や不測の事態に遭遇した場合、すぐに連絡してください」と言い残した。

法輪功学習者が帰った後、スコット副議長はジリオッティ氏に、「彼らはなにもかも奪われ、すでに失うものはなにもない」と呟いた。

面会終了後に、ジリオッティ氏は一旦ホテルを離れ、タクシーで戻る途中にナンバープレートのない車に道を塞がれ、数人の私服警官が強引に彼をタクシーから引っ張り出して、車に乗せ、布で頭を被り、連れ去った。

ジリオッティ氏は取り調べ室で、21日午後6時から22日午前3時まで、尋問を受け続けた後、ホテル(Greater Long Hu International Apartments)に連れて行かれ、22日午後6時までに拘束され、計24時間の取調べを受けた。

その間、中共の警官は、「どうやって法輪功学習者と連絡が取れたのか」「どうやって連絡を取っているのか」「面会の内容はなんであるのか」「あなた達はどれだけの資料を入手したのか、どのぐらい撮影したのか」「あの2人の法輪功学習者はだれなのか」、「あなたのパソコンに『九評共産党』があるのは、どういうことなのか」・・・・などと様々なことを繰り返し尋問した。最後にジリオッティ氏のノートパソコンが押収され、会見時撮影した数枚の写真も没収された。

中共の警官はジリオッティ氏に、あなたが面会を計画した罪、面会の資料と録音を所持した罪、法輪功の関連資料を所持した罪など三つの罪を犯したと説明し、これらの罪状は中国ではみな重罪であると伝え、三つの声明文で署名することを強要した。その内容はそれぞれ「自分の所持品が押収されたのは合法のことである」「私が中国の法律を違反したため、尋問を受けるのは合法のことである」「私は中国の法律を違反したことを認める」というものである。

24時間の尋問を受けた後、22日午後6時過ぎ、ジリオッティ氏は頭に布を被されたままで、空港に送られ、米国に強制送還された。

拘束されている間に、ジリオッティ氏は携帯電話で米国の友人に「私は逮捕された」とのメールを送ったが、そのことが発見され、激怒した警官から、「私は安全だ」との内容のメールを強制に再送信させられた後、携帯の電源が切られた。

メールを受信したジリオッティ氏の友人がおかしいと思って、米国駐北京大使館に電話で通報した。通報を受けた米国の領事は中共当局に電話連絡したが、「逮捕のことを知らない、ジリオッティ氏の存在も知らない」との返答があったことが、後に分かった。

ジリオッティ氏は「私は釈放されたが、命の危険を冒して面会に応じた法輪功学習者二人は行方不明になった。幾度も試したが、彼らとの連絡が取れなくなった」と明かし、彼らは尾行を受け、逮捕された可能性は非常に高いと指摘し、国際社会に対し、命の危険に直面している二人を緊急救援するように呼びかけている。

また、ジリオッティ氏は「今回の面会で、スコット副議長は十分な証拠を入手した。中共による法輪功学習者への残虐な集団迫害の事実が証明された」と語り、弾圧が始まって7年間、初めて欧米国家の政界要人が法輪功学習者から直接に迫害の状況を調査したと述べ、今回の面会は歴史的な意義があると指摘した。

(記者・辛霏)
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