鳥インフルエンザ、中国軍人感染者が死亡

2007/06/06
更新: 2007/06/06

【大紀元日本6月6日】世界保健機関(WHO)はこのほど、中国当局から、5月に鳥インフルエンザに感染した軍人(19)が死亡した通知を受けたことを明らかにした。香港衛生署も6月4日に、大陸政府の知らせを受けたという。これによって、中国大陸で鳥インフルエンザにより死亡者の人数は16人に増加した。

死亡した軍人は福建省で服務しており、5月18日に高病原性鳥インフルエンザ・H5N1型ウイルスに感染したことが確認され、軍の病院にて治療を受けていた。これは今年に入ってから3件目の感染症例である。その他の2件は、それぞれ福建省の農民と安徽省の16歳の少年であった。

中国当局はこれまで25件の鳥インフルエンザの人感染例を公表した。その内の1件についてのみ、感染した家禽から感染を受けたことを確認した。その他の症例の感染経路は、依然不明のままである。これにより、中国当局が感染状況に対する監督を果たしているのかどうかは疑問視されている。WHOは、中国当局が鳥インフルエンザの感染経路に対する監督を強化すべきであるとしている。

AP通信社によると、中国当局は今回死亡した軍人の感染を確認し、発表した5月26日に、軍人の名前および感染経路について触れなかった。当時、WHO駐北京スポークスマンのジョナ・ブレント氏は、「ただH5N1型鳥インフルエンザ・ウイルスの存在だけでは、健康危機を引き起こす騒ぎにならないが、感染例が現れたことは、このウイルスが依然広がっており、これが潜在的な健康危機の一つであることを示している」と指摘した。WHOは中国当局に対し、感染経路などについて詳細を求めているが、未だに返答がないという。

香港メディアの追跡報道によると、今回死亡した軍人は、福建省南安市官橋鎮に駐屯している軍隊に属し、この軍隊は優れた装備を持つ中共の第31集団軍に属するという。

国際社会は中国側が鳥インフルエンザの情報を隠蔽し、詳細を公開しないことに対して、相次いで抗議した。特に、軍隊の中で発生した鳥インフルエンザの感染例に関して、外界はまったく情報の入手ができない。2006年に中国当局は、24歳の軍人が3年前に鳥インフルエンザに感染して死亡したことを公表したが、その症例のウイルスのサンプルを未だにWHOに提出していない。WHOは、中国側のやり方は薬の開発および予防対策に深刻な影響をもたらすと指摘した。