中国軍幹部に若手登用、胡主席の布陣か=専門家

2007/07/07
更新: 2007/07/07

【大紀元日本7月7日】今秋の第17回全国人民代表大会(略称、全人代)に参加するため、中国人民解放軍は多くの将校をの代表として選出し、中年層の若い幹部の抜擢が非常に早いという。専門家は、「軍の新たな戦略情勢に対応するための人事異動」とみている。また、米国防省のある報告書は、第17回人民代表大会を前に、胡錦涛・主席が軍への制御を強化するための動きである可能性を指摘した。また、軍の元トップ、江沢民元主席は今回代表に選出されなかった。

香港紙「南華早報」によると、解放軍と公安の代表それぞれ249人と47人、合計296人が今年の全人代に出席する予定。そのうち、63%となる186人は少将(注)以上のクラスで、平均年齢は52歳。軍幹部の若年化の動きを見せている。中央委員や、候補委員などの重要ポストにつく可能性のある重職は、すべて59歳未満であるという。

中国政府機関紙「文匯報」は、「中年層の将校の多くは2ランクアップで官位を昇進している、そのスピードの速さは近年あまり類がない」と報じた。

台湾戦略学会の幹事長・王昆義氏は米国VOAの取材に応じ、「これまでには、解放軍の人事異動は年功序列と指令部との親密関係度が重視されていたが、最近では若年化と技術化が計られるようになった。軍人においてのこれらの刷新は、解放軍が新しい戦略情勢に直面しているのがわかる」との見解を示した。

また、軍の代表は296人に達し、全人代の代表者数の13.3%を占めていることについて、「軍は依然中共の最高権力機構の重要な部分であるのを顕現した」との声が聞かれた。

江沢民・元主席や、張萬年氏、遅浩田氏など軍最高指令部の元メンバーらは、今回再選されなかった。江沢民の側近、中央警衛局の局長の由喜貴・上将(注)も代表にならなかった。

また、少将クラス以上の代表186人の大多数は、2004年胡錦濤・主席が軍のトップに就任後、抜擢された。有名人も代表に当選している。例えば、宇宙飛行士の第一人者の楊利偉氏、駐香港部隊の司令官兼広州軍区司令官の劉鎮武氏など。

編集者注:

中国人民解放軍には、現在以下の3つの等級と10個の階級がある。

将官:上将(大将)・中将・少将

校官(佐官):大校(上級大佐)、上校(大佐)、中校(中佐)、少校(少佐)

尉官:上尉(大尉)、中尉、少尉

上将は最高位階級。法律で上将がつく職として定められているのは、中央軍事委員会副主席・中央軍事委員会委員・総参謀長・総政治部主任。その他、軍区司令員・総政治部副主任・総後勤部主任・総装備部主任などには、上将が就く。