「中国政府の手先になりたくない」 米2大ドメイン登録会社、中国の新規登録を停止

2010/03/26
更新: 2010/03/26

【大紀元日本3月26日】インターネットのドメイン登録を扱う世界最大手の米ゴーダディー・ドットコム(GoDaddy.com)と、世界初のドメイン登録者、米ネットワーク・ソリューションズ(Network Solutions 略称 NetSol)が相次ぎ、中国ドメイン「.cn」の新たな登録を停止した。中国政府が登録者の情報を求める新たな規制を設けたため、登録者個人の安全を懸念した決定という。中国当局によるインターネット監視の強化に反発し、検閲停止したグーグル社に続く、世界最大のビジネス市場、中国での事業を縮小するIT大手の新たな動きは、米企業間に一陣の風を送り込んでいる。

「中国政府の手先にはなりたくない」

「中国政府は、市民の合法的な行為の監視・管理のためにネットを利用することに注視している。我々は、中国政府の手先にはなりたくない」と24日、ゴーダディー・グループの法務責任者クリスティーン・ジョーンズ氏が言明。

25日付米紙「ワシントンポスト」によると、前日の米議会中国問題執行委員会(Congressional-Executive Commission on China)の公聴会で、ジョーンズ氏は、昨年12月以降、中国当局から、中国のドメイン「.cn」への新たな登録者の顔写真や、事業登録番号、署名入りの書類の提出が要求されたことから、登録者個人の安全に影響が出ることを懸念して、中国のドメインの新たな登録提供を停止すると述べた。

通常、ドメイン登録で求められるものは、氏名、住所、電話番号、メールアドレスだけだ。中国側が求めるこれらの詳細情報は、政府代理機関の役割を果たす中国ネットワークインフォメーションセンター(CNNIC)に送られることになっているという。

ネットワーク・ソリューションズも同日の公聴会で、ゴーダディー社と同じ理由で昨年12月から中国のドメイン登録を停止したと発表。ネットワーク・ソリューションズが出した関連声明では、中国政権による新規定は「プライバシーの侵害」ともいえ、利用者に負担をかけるとの見解から、中国でのビジネスを停止したという。

ゴーダディー社は、2000年以来ドメイン名登録のビジネスに従事しており、現在、4000万以上のドメインを管理している。同社にとって、このような証明を要求してきた政府は、北京政権が初めてだという。

「これらの手続きの背後には、中国政府が、中国国民による登録ドメインへの管理を強化するためと見受けられた」とジョーンズ氏は説明。2010年1月から3月に、中国を拠点とする深刻なサイバー攻撃を受けたとし、犯罪行為に対する中国政府の取り締まりが欠如していることも指摘。これまで、「天安門広場」「人権」など、中共政権が適切でないと見なすサイトが攻撃を受けてきており、サイト閉鎖の理由を尋ねても、回答を全く得られなかったことも明らかにした。

尚、両社とも、今回の決定はグーグル社の中国市場撤退とは無関係で、グーグル社の発表以前に態度を決めていたとも語っている。

グーグル社は、自社サイトの検閲を停止するという1月の公言通り、今月22日、中国サイトGoogle.cnが、ユーザーを検閲のない香港サイトGoogle.com.hkに自動的に誘導するように設定した。

こんな矢先に、米ゴーダディー社とネットワーク・ソリューションズの態度表明は意義深い。グーグルに続いて、相次ぎ現れた良心が、米議会に旋風を巻き起こしている。

「ゴーダディーもグーグルも中国で正しい行動をとっている。賞賛に値するもので、政府は支援すべき」とクリストファー・スミス議員(ニュージャージー州・共和党)は語る。同議員は、ネットの利用に制限を加える諸国にユーザー情報を与えるべきではないという法案を支持している。

中国からの高まる要求 揺らぐ米中のビジネス関係

グーグル社に続く両社の決定により、今後さらに、米企業の間で中国本土での事業を縮小する動きが広がっていく可能性があると見られている。

「企業は、中国への投資は、期待されるリターンに値しないことに気づいている」と中国経済専門家でハーバード大学教授のユシャ・ヘイリー(Usha Haley)氏は、「E-コマースタイムズ」紙に語る。「これらの企業は、中国での投資を回収する可能性が限られていることに気づき、さらに多くの企業資本と知的財産権が危険に晒されていることも理解するようになった」という。

ハイテク企業や情報提供サービス企業に、特にこのリスクがあてはまる、とヘイリー氏は指摘する。「中国政府が管理したがる領域であり、中国政府の望むままに情報を渡すことで、自社の競争力が落ちるだけではなく、いつのまにか中国共産党政権のスパイや検閲者の役割を担ってしまう」

米電子情報プライバシーセンターの責任者であるマーク・ロテンバーグ(Marc Rotenberg)氏は、ゴーダディーとネットワーク・ソリューションズ2社の決定は、グーグルより意義が深いと評価する。「ゴーダディー社は、英雄と評されるべき。その決定は直接、プライバシーの保護につながり、中国の個人情報要求に抵抗することを意味する。中国でビジネスを展開する外資系企業はこの点に常に不安を感じている」と、「E-コマースタイムズ」紙に語っている。

アジア太平洋学院の理事長ランディー・クルバー(Randy Kluver)氏は、中国の政策に反発する会社は今後も後をたたないと見解する。「最近数カ月、中国にいる外資系企業は、中国政府からの要求がさらに高くなってきていることを感じている。その多くは、中国は政策を通して何をしようとしているのか、ますます理解できなくなっている」と現状を解説している。

(大紀元日本語版編集翻訳チーム)
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