27日の北京上海、厳戒態勢 外国記者ら連行される

2011/02/28
更新: 2011/02/28

【大紀元日本2月28日】中東と北アフリカの民衆蜂起ドミノが広がるなか、中国当局は20日につづき、27日にも中国各地で予定された集会を封じ込めるための厳戒態勢を敷いた。今回は国内の参加者のみならず、多数の外国メディア記者らも連行され、一時身柄が拘束される事態となった。

ロイター通信によると、北京では香港のテレビ局の記者ら3人、韓国メディアの記者1人、ドイツのDPA通信記者ら取材チームが連行された。また英BBCの取材チームも一時取り押さえられ、近くの警察署に連行されたという。

米ブルームバーグの記者は27日に現場で取材した際、少なくとも5人の私服警官と見られる男らに殴る蹴るの暴行を受けたことが、同社の報道で明らかになった。

男らは記者のカメラを奪ったうえ、近くの商店に押し込めた。後に駆けつけた制服警官が同記者を警察署へ連行した。すぐさま解放されたが、暴行を加えた男らに奪われたカメラを警官は署内で差し出して「通行人が見つけたそうだ」と言って同記者に返したという。

このほかにも、台湾中央社によると、当日午後2時頃、北京の集合場所・王府井新東安市場付近を同国メディアの2人の記者が撮影した時、大勢の公安に取り囲まれ、警察車両に乗せられた。車内で2時間にわたり事情聴取が行われ、その後にまた派出所に連行された。さらに2時間後の午後6時ごろ、北京市の台湾事務担当の幹部の助けで、2人はようやく解放された。

また、王府井の集合場所へ向かう道路は一時封鎖されており、多くの制服警官と私服警官が警備にあたり、警察車両もたくさん待機していたという。集合場所付近での立ち止まりや撮影が禁止されており、王府井の地下鉄駅にも保安員が増員され、乗客の持ち物検査を行っている。

上海では27日、日本のテレビ局のカメラマン1人を含む、少なくとも6人が連行されていた。同カメラマンは約1時間半後に解放されたという。

上海の集会場所に指定されていた映画館・和平映都は27日当日、「コンピューターシステムの故障のため臨時休業」になった。また周辺の地下鉄出入り口も閉鎖されたという。集会予定時刻の1時間前から多くの警官が出動し、通行人に立ち止まらないよう笛を吹きながら誘導していたにもかかわらず、現場には大勢の市民が集まった。今回上海市内で警戒にあたった警官は千人以上に上るという。

 (翻訳編集・張凛音)
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