国連で中国が人権報告 「自由がある」と主張するも西側は整合性のなさを批判

2018/11/08
更新: 2018/11/08

国連人権理事会はスイスのジュネーブで6日、中国の人権状況についての第3回審査会議を開いた。開始前、中国代表団は国家の人権報告書を理事会に提出した。そこには「中国特有の人権の道は社会主義に沿う」と書かれていたが、西側諸国は報告内容に整合性はないと批判した。

中国代表団の一人で楽王成・外務省高官は、国際社会で大きな批判が巻き起こる新疆ウイグル自治区の大規模収容について、「新疆には反テロ対策が必要。教育を通じて極端主義から離脱させる。恐怖分子である極端主義を鎮圧し消滅する」と述べ、収容を続ける姿勢をみせた。

国連人権理事会による国別人権審査は2013年10月に始まった。各国はこれまで中国政府に対して252項目について提言を行ったが、中国は204件しか受け入れていない。

中国は報告書で、国内法では、国民に信教の自由があると定められており、これに違反した政府職員は刑法で処罰されると書いた。しかし、会議出席のカナダ代表団は、カトリックなどキリスト教徒、チベット、ウイグル、法輪功など信仰を持つ人々が申し出る迫害についての意見書を、中国当局は受け入れていないと指摘した。

また中国の報告書は、「ネットユーザ数が世界最多、メディア産業が順調に成長している」と国民の言論の自由とメディアの報道の自由が保護されていると述べた。スウェーデン、コスタリカ、ポーランドの各代表団はこの内容を否定し、言論と報道の自由への制限を取り除くよう求めた。中国代表団はこれを拒否した。

国連人権理事会の審査チームは、中国が提出した報告書を、他の人権専門家や国民が提供する人権報告と合わせて審査する。

(翻訳編集・佐渡道世)

関連特集: 人権問題