大紀元時報

ゲノム編集実験、中国政府主導との指摘も 実験参加者「問題ある新生児が処分される」

2018年12月01日 12時38分

「ゲノム編集」を使った受精卵から双子が誕生したと報じられた。世間を驚愕させた研究は中国政府が主導しているとの指摘が出てきた。また、実験参加者が中国メディアに対して、事前に「ゲノム編集」が行われるとの説明を受けていないと証言した。「問題のある赤ちゃんが生まれたら処分される」と聞かされたという。

28日、賀准教授は香港大学で開催されたヒトゲノム編集国際会議に出席し、本人の口から実験について初めて説明した。同氏によると、研究に8組のカップルが参加したが、うちの1組は途中で離脱した。研究に参加したすべてのカップルについて、男性側がすべてHIV陽性で、女性全員はHIV陰性だという。また、准教授は研究過程では、遺伝子を改変した31個の受精卵が胚盤胞に成長したと述べた。

賀氏は、双子を誕生させたカップルのほかに、もう1組のカップルについて「妊娠初期」と2例目の可能性を示唆した。

准教授は同会議で、HIV感染しにくくなるゲノム編集の研究を正当化した。しかし、同会議組織委員会の委員長を務める米カリフォルニア工科大学のデビッド・ボルティモア教授をはじめ、各国の専門家は賀氏の研究を批判し、実験の真偽について疑問を呈した。

賀准教授は2010年、米ライス大学で生物物理学博士号を取得。2011年から12年まで米スタンフォード大学で遺伝子研究を専攻していた。

2012年、賀氏は中国当局が主導する、海外の最先端技術を習得し中国に持ち帰る「千人計画」に参加する人物。帰国後は深セン市にある南方科技大学で教職に就いた。

中国当局が研究を主導か

 

29日、中国の科学技術部や国家衛生健康委員会の高官が、ゲノム編集実験を糾弾し、賀准教授らを「調査した上で処分する」と発言した。

同日、ツイッター・アカウントで「草祭」を名乗る中国人研究者は、中国当局が「ゲノム編集の研究を南方科技大学に委託し、賀准教授が実行した」と指摘した。ツイッターでの自己紹介によると、上海の某大学の理系教授だった「草祭」は、現在台湾で教鞭を取っている。

投稿によると、必要な経費が1億元(約16億円)以上かかる同研究は「一准教授で集められる額ではない」という。政府機関である「中国科学技術部が支援を行った可能性が高い」と主張。また同部門はゲノム編集のような秘密研究、いわゆる『特別プロジェクト』に対して経費を提供していると書いた。

また、「草祭」は、賀建奎氏は「科学者であり、医師ではない」と指摘した。医師ではないためゲノム編集技術を使った人体実験を実施できない。「賀准教授が自ら資金を集め、研究を進めていると仮定すれば、南方科技大学は賀氏を解雇し、中国当局に起訴されるはずだった。しかし現在まで、このような動きがない」。このため「中国当局が背後で研究を支持しているとしか説明がつかない」と推測する。

南方科技大学側によると、賀氏は現在、無給休暇中だという。

中国共産党機関紙・人民日報は26日、「ゲノム編集で双子女児誕生」を報道した際、「中国の疾病予防分野におけるゲノム編集技術の応用が歴史的成功に達成したことを意味」と自画自賛した。国内外からの批判が噴出したため、この数時間後、同記事は削除された。

 

協力者「国の研究助成金を得ていると聞かされた」

エイズ病患者を支援する団体「白樺林全国連盟」の設立者・白樺氏は中国紙・新京報に対して、賀准教授の依頼を受けて、実験参加者を募集したことを認めた。また、賀氏は研究について「国の助成金を受けて進められている」と何度も強調していたという。

白樺氏は200人あまりの応募者から参加者を選んだ。しかし、同氏は誕生した双子を見たことがないと話す。

実験の途中に離脱した男性は中国メディア・三聯生活週刊に対して、「ゲノム編集技術が使用されると事前に説明されていない」「この技術を生殖目的に使用してはいけないなど倫理上の問題についても説明がなかった」と述べた。

男性は研究チームのメンバーに、問題のある赤ちゃんが生まれた場合の対処について質問したところ、「研究チームが責任をもって処分する」と返事されたという。

男性は実験動物のモルモットにしたくないとの理由で途中で離脱した。「問題のある赤ちゃんも一つの命だ」

(翻訳編集・張哲)

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