中国主席が台湾との平和的統一主張、武力行使排除せず 台湾反発

2019/01/03
更新: 2019/01/03

[北京 2日 ロイター] – 中国の習近平国家主席は2日、北京の人民大会堂で演説し、中国には台湾統一のために武力を行使する権利があるとした上で、平和的な「統一」を目指す考えを示した。台湾の蔡英文総統はこれに反発し、中国は民主主義を受け入れるべきと主張した。

中国は台湾と中国の一部とみなしており、独立派の民進党の蔡政権誕生後、台湾への圧力を強めてきた。

習主席は、中国が台湾政策を武力行使から対話に転換した「台湾同胞に告げる書」の発表から40年を記念する式典で演説した。

その中で、「統一」は台湾を中国の一部として受け入れる「一つの中国」の原則の下で実現する必要があると訴えた。

また、台湾の大多数の人は独立が「大惨事」につながることをはっきりと認識していると指摘。その上で「中国が中国人を攻撃することはない。最大限の誠意と努力によって平和統一を目指す用意がある」と強調した。

一方で武力行使しないとは約束せず、平和統一の目標を達成し台湾独立を阻止するため、あらゆる必要な手段を講じる選択肢を保持すると述べた。

ただ、標的となるのは外国勢力による干渉や、ごく少数の台湾独立勢力とその活動だとした。米国を念頭に置いた発言とみられるが、詳細には踏み込まなかった。

「一つの中国」の原則を受け入れるなら、台湾のいかなる政党とも統一に向けた政治プロセスの推進に向けて協議する用意があるとの立場もあらためて示した。

さらに「平和統一後、台湾には持続的な平和や豊かな生活がもたらされる」とし、住民の懸念払しょくに努めた。

これを受けて蔡総統は記者団に、台湾は「一国二制度」を決して受け入れず、民主的社会を誇りに思っていると主張。

「台湾の大半の住民は『一国二制度』に断固反対だ。これは『台湾のコンセンサス』だ」と述べた。

そのうえで「われわれは、中国に対し、勇気をもって民主主義に向け踏み出すよう呼び掛ける。それによってはじめて台湾の考え方や主張を真に理解できる」と語った。

*台湾総統の発言を追加しました。

Reuters
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