台湾立法委員、「外国代理人制度」の立法促す 共産党の浸透に危機感

2019/06/27
更新: 2019/06/27

台湾で、中国共産党の浸透工作を阻止するため、「外国代理人登記制度」の早期成立へ向けた動きが加速化した。

民進党の余宛如・立法委員(国会議員)をはじめとする与野党の立法委員と学者らは17日、立法院(国会)で記者会見を開き、「外国代理人登記制度」を早急に立法する必要性を訴えた。

余宛如・立法委員は「香港の逃亡犯条例改正案を見れば、中国共産党による自由・民主社会への蚕食(さんしょく)が実際に起きていることが分かる。台湾でも共産党がさまざまな方法で、社会の隅々まで浸透を図ろうとしている」と述べた。

議員らは、米国と豪州の関連法案を基に、台湾で影響力を拡大する外国勢力の資金源の透明化、政府の監督を受けるよう義務付けるべきだと主張した。

台湾の蔡英文総統は今年3月に開催された国家安全保障関連会議で、台湾の民主主義を守るために、対中交流の関連法案を見直すべきだと強調した。総統は、中国共産党が民主社会の自由と開放を利用し、フェイクニュースを通じて台湾の政治、経済と社会発展に干渉しているとし、これを阻止しなければならないと述べた。

市民団体「台湾守護民主平台」の宋承恩・理事は、将来「外国代理人登録法」が可決すれば、メディアに対して、オーナーや資金源のほか、過去の報道および国外から得た資金について説明を求め、徹底的に監督を行うことができると述べた。「資金源など説明できないメディアに対して、外国代理人の登録を義務づけるべきだ」とした。

一方、記者会見で、大陸政策を担当する行政院大陸委員会の蔡志儒・政法処長は、近年中国当局が台湾統一を目的にさまざまな圧力を強めてきたと指摘した。「今年始め、中国当局は1国2制度による台湾統一を主張した。その最終目的は中華民国を消滅することにある」

蔡処長によると、中国当局の影響力拡大に対抗するため、大陸委員会はこのほど、「両岸(台中)人民関係条例」改正案を提出した。中国との政治取り決め調印の手続きを厳格化した。また、中国との通謀罪を厳罰化する国家安全法改正案が19日に立法院院会(国会本会議)で可決された。総統府は一連の法改正により、台湾の「民主主義防護ネット」はさらに完全なものになったと述べた。

(翻訳編集・張哲)
 

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