大紀元時報

農産大手モンサントの機密窃盗、中国人の元研究職員を起訴 千人計画のメンバー

2019年11月23日 16時20分
2016年、モンサントの研究ラボで作業する従業員(GettyImages)
2016年、モンサントの研究ラボで作業する従業員(GettyImages)

米国司法省は11月21日、米農業大手モンサント(現バイエル)の中国人元社員1人を、商業機密窃盗容疑など8つの罪で訴追したと発表した。

司法省が公開した訴追状によると、米連邦大陪審は、ミズーリ州在住の向海涛(音訳、Xiang Haitao)を、経済スパイ活動と共謀罪、商業機密の窃盗など8件の容疑で起訴した。

向海涛は2008~17年まで、農業大手モンサントとその子会社クライメート・コーポレーションに研究員として勤務した。17年6月に中国へ帰国しようとしたが、空港で連邦捜査局職員に制止された。向は、モンサント社の技術機密のアルゴリズムのコピーを持ち逃げしようとしたという。

モンサントとクライメート・コーポレーションは共同で、米国の農地情報を収集して可視化し、農業生産力を向上させるためのデジタル農業オンラインプラットフォームを開発した。この主要なコンポーネントは、栄養素向上装置(Nutrient Optimizer)と呼ばれる独自の予測アルゴリズムだ。両社はこの技術を高い価値のある知的財産としている。

米司法省のジョン・デマーズ国家安全保障担当補佐官は、中国共産党政府が、海外高度人材雇用プログラム「千人計画」を使い、米企業の従業員をリクルートして、元勤務先の知的財産権を盗むように指示していると指摘する。

このほど起訴された向海涛も、モンサント勤務中に2017年「千人計画」の一人に選ばれた高度な技術をもつ研究者のひとり。

有罪判決が下れば、スパイ罪の起訴には最高懲役15年、500万ドルの罰金が科せられる。

南京農業大学のホームページに掲載されたプロフィールによると、向海涛は中国科学院南京土壌研究所研究員で、博士課程指導の資格を持つ。2008年、米イリノイ大学で博士号を取得し、同年に世界的な農業大手モンサントに入社した。研究職として、デジタル農業、土壌肥料や養分管理などの研究を担当した。国内外の著名な研究誌に20件あまりの論文を発表し、アメリカ特許3件を取得した。また、米農務省特約審査専門家として同省刊行物の編集委員も務めた。2017年、中国科学院から「百人計画」海外傑出技術を持つ英才に選ばれた。

ジョン・ブラウン米国連邦捜査局反スパイ部副部長は訴状に、「公正環境で競争しようとしない外国政府が、米国の機密情報や先端技術を入手しようとしている」と書いた。連邦捜査局は、今回のような個人の経済スパイ活動を阻止するために、他国の操作組織と連携を強めるという。

連邦捜査局セントルイス支局のリチャード・クイン氏は「外国政府の命令に従って行動する人がいれば、米国企業の市場シェアと競争力を奪われ、わが国の経済環境の安全が脅かされる」「営業秘密を盗まれれば、企業全体のビジネスが台無しになる」と述べた。

モンサントは米国のミズーリ州セントルイスに本社を構え、全世界66カ国に2万人余りの従業員を擁する多国籍企業。2018年にバイエルが買収・吸収した。トウモロコシ、大豆、綿花などの主要な農作物および果物と野菜の種子を開発する。製品の研究開発のために各国農業担当部門、農業科学研究組織、大学などと提携する。

(翻訳編集・佐渡道世)

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