プラハが台北と姉妹都市提携 議会が可決

2019/12/16
更新: 2019/12/16

プラハ市議会は12月12日、台湾首都・台北と姉妹都市を締結する議案を賛成多数で可決した。

プラハ市長ズデニェク・フジブ(Zdenek Hrib、野党・海賊党)氏は、両都市間の距離は遠いが、経済、商業、科学技術、文化、観光、教育など多数の分野で協力関係を結ぶとした。

2018年春、フジブ市長が両都市協力協定を結び、2019年1月には、台北の柯文哲市長がプラハを訪れ、姉妹都市関係を結ぶことに合意した。 締結の証に、プラハの動物園には台北から希少動物のセンザンコウが贈られた。

今年就任したフジブ市長は9月、プラハ市は、台湾は中国の一部であるという中国共産党の「一つの中国」政策には同意できないとして、北京との姉妹都市関係を解消した。

姉妹関係の解消への報復措置として、中国共産党政権は、予定されていたチェコのオーケストラによる中国ツアーを停止させた。チェコのルボミール・ザオラレク(Lubomir Zaoralek)文化相は中国の張建敏・駐チェコ大使を呼び出し、突然の公演中止は中国のイメージを深刻に傷つけたと強く批判した。

ザオラレク文化相は台湾へ留学したことがあり、今年、蔡英文総統とも面会している。これは、台北とプラハの姉妹都市契約への地ならしだったとみられている。

プラハ市議会は会期中に、中国共産党による影響力についても議論が交わされた。

チェコ現地紙12月9日の報道によると、チェコの大手金融会社は、PR担当ネットワークを新たに設けて、共産党政権が宣伝する「中国の良い印象」を国内で広める世論操作を行った。PR担当は専門家、ジャーナリスト、政治家など幅広い職種に渡る。同紙は一例として、シノコップ(Sinoskop)現代中国研究所の設立はそれに当たるとした。

他にも、チェコ共和国の情報機関は中国による浸透工作を警戒する報告を11月、発表している。それによると、中国がチェコ国内で工作員集めを強化し、チェコの国営組織に対するサイバー攻撃が行われているという。また、中国政府支援の中国学者、公務員、学生を招いた研修やセミナーは増加しているとした。この動きについて、ブルームバーグは、欧州自由主義国への足掛かりとして、共産主義国の中国やロシアは、人口1030万人のチェコを利用していると報じている。

2016年以降の蔡英文・民進党政権は、共産党による圧力を強く否定し、自由と民主主義を重んじる政治運営を行っている。

台湾との外交について、最近、チェコ議会では多く議論されてきた。 上院議長Jaroslav Kubera議員は、来年は台湾を訪れたいと述べている。 

チェコには2016年、中国習近平主席が来訪し、大幅な投資の拡大を約束した。2019年4月にはミロシュ・ゼマン(Milos Zeman)大統領が北京を訪れた。しかし、約束は実際に行われていないことから、チェコの政治および社会には不信感がある。

(翻訳編集・佐渡道世)

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