大紀元時報

ソレイマニの死、イラク政治が変わる=専門家

2020年01月07日 21時16分
2020年1月4日、イランの首都テヘランの主要道路に掲げられたイラン軍の元司令官カシム・ソレイマニの肖像画(ATTA KENARE/AFP via Getty Images)
2020年1月4日、イランの首都テヘランの主要道路に掲げられたイラン軍の元司令官カシム・ソレイマニの肖像画(ATTA KENARE/AFP via Getty Images)

米政権によるイラン革命防衛隊コッズ部隊のカシム・ソレイマニ司令官の殺害は、イラク内での政治的流れを変えることになりうる。「彼は中東全体で最も危険な人物であり、その死はアルカイダやISISの指導者を倒すよりもはるかに重要だった」政治アナリストでセーラム州立大学公共国際関係センターのカニシュカン・サタシバム(Kanishkan Sathasivam)氏は大紀元の取材に語った。

イラン革命隊は、各地でテロ行為を実行してきた。2019年6月に日本のタンカーが爆撃された事件も、米中央軍はこの革命隊が実行したと発表している。

「イラクとシリア、またイラン国内でもソレイマニの死を祝う複数の大規模なデモがあった。ソレイマニは、多くの人々から強く嫌われた人物だった。また、最近のイラク内部の反政府デモには、ソレイマニに対する不満が含まれていた」

ソレイマニの死により「イラク国内の反イラン派は活気づくだろう。いっぽう、イラン政権は求心力のために、目立つ形で報復できる手段を模索するだろう」とサタシバム氏は述べた。

サウジアラビアにある、ファイサル王イスラム研究センター上級顧問ジョセフ・A・ケチチャン(Joseph A.Kechichian)氏は「今後、民族主義による求心力を強化しなければ、親イランのシーア派指導部は著しく弱体化する可能性がある」と大紀元の取材に語った。

トルコを拠点とするカーネギー中東政治研究会アナリスト、アリ・ベイカー氏も、ケチチャン氏の見方に同意する。「多くのイラク当局者が、ソレイマニと個人的に結びついていた。だからイラクと米国の治安部隊はソレイマニの死後、国内問題を解決するための制約は少なくなった」

また、ベイカ―氏は、イランがソレイマニの死により生じた空白を埋める行動を取らない限り、「イラク人への抑圧は軽減する」と述べた。

イスラム反テロ研究サイト「ヒズボラ・ウォッチ」創設者のサム・バジ(Sam Bazzi)氏は、 ソレイマニがイラン政権の地域運動と政治同盟などに多くの政治的な強い影響力を持っていたとした。彼の死は、イラクが分裂し、新しい首相を選出する過程で起きたという。

米国の政治的利益

専門家によると、ソレイマニの殺害はトランプ米政権にとって、イラク国内で政治的影響力と課題を生み出した。米国の長期的な関心は、イラク人にあるからだ。

米国は、最も悪名高い敵を排除した。これについて、米政府は「長期的な利益がイラク国民にあることを明示しながら、慎重に行動するよう求められる」と述べた。

「イランは米国を警戒している。オバマ政権の親イラン政策を忘れてはいないかもしれない」とケチチャン氏は述べた。

ベイカー氏は、「ソレイマニがいないことで、イラクは適切な時期にイランの影響に対抗するための窓口になる可能性がある。このような状況で事態がどのように推移するか予測するのは難しいが、イラクの人々が米国の支援を必要としているのは確かだ」と述べた。

イランとその代理組織は、復讐を声高に叫んでいる。彼らは政治的な手段でイラク内部で報復すると警告した。

「ソレイマニ司令官の殺害は、明らかにイラン政権の立場を硬化させた。イランとその同盟国は報復を望んでいることを明確にしている。これは、政権がイラクで支持者を結集させて政治的に報復することにつながるだろう」

実際、イラク議会は1月6日、駐留米軍の撤退を要請する決議を採択した。これについて、米ポンペオ国務長官は「イラクの人々は米軍を必要としている」とし、決定の見直しを促した。トランプ政権は、もしソレイマニ殺害でイランが米国に報復すれば、制裁も辞さないとしている。

( VENUS UPADHAYAYA/翻訳編集・佐渡道世)

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