大紀元時報

アングル:新型肺炎ピークはいつか、頼りにならない予測モデル

2020年02月08日 09時27分
中国から拡大した新型コロナウイルスについて今、世界中の医療、政策、経済専門家が協力し、ピークを予想しようと試みている。写真は1月27日、湖南省長沙の空港で撮影(2020年 ロイター/Thomas Peter)
中国から拡大した新型コロナウイルスについて今、世界中の医療、政策、経済専門家が協力し、ピークを予想しようと試みている。写真は1月27日、湖南省長沙の空港で撮影(2020年 ロイター/Thomas Peter)

Kate Kelland Julie Steenhuysen

[ロンドン/シカゴ 6日 ロイター] - ウイルス感染がいつ「ピーク」を越すかについての予想は、外れるものと相場が決まっている。だからといって、予想することが無意味なわけではない。

中国から拡大した新型コロナウイルスについて今、世界中の医療、政策、経済専門家が協力し、ピークを予想しようと試みている。ピークとは、日々の新たな感染者数が継続的に減少し始める時期だ。しかしデータに欠陥が多すぎるため、信頼に足る予想を出すのは難しいと、関係者らはくぎを刺している。

「いつピークを迎えるという話がでても耳を貸す価値はない」と語るのは米ミネソタ大の感染症専門家、マイケル・オスターホルム氏。

英オックスフォード大の数理疫学専門家、ロビン・トンプソン氏も同意する。同氏は新型コロナウイルスの感染拡大についての予想を公表し、積極的に更新しているが「分かっていないことがあまりにも多い現在のような状況では、いつピークを迎えるかについて何らかの精度を持って予想するのは不可能だと言って差し支えない」という。

実際、中国政府系英字紙チャイナ・デーリーが今週報じたところでは、中国工程院の専門家で感染拡大抑止に取り組むチームの一員のZhong Nanshan氏は1月28日に出した「7―10日以内にピークを迎える」という予想を、2月2日に「10―14日以内に迎える」と変更した。変更の理由は明らかにしていない。

<予測モデル>

政策立案者から病院建設関係者、航空会社の運航計画担当者にいたるまで、すべての関係者にとって、戦略的な計画を立てるには感染拡大の予測モデルを作り、それに手を加えていくことが決定的に重要になる。

感染症の予測モデルに盛り込まれ得る基礎的要因としては、把握できている感染者数、経過時間、人の行き来の頻度、人同士の接触頻度、感染率、隔離や検査などの抑制策などがある。

例えばオックスフォード大のトンプソン氏のモデルでは、中国以外の国・地域で感染が発覚した際、継続的にウイルスが感染するリスクを予想する。

同氏のモデルでは、いくつもの重要な前提条件を設定。具体的には、中国国外に持ち出されたウイルスの感染症例が中国国内のものと類似しているとか、新型コロナウイルスの感染力が重症急性呼吸器症候群(SARS)のウイルスと同程度である、といったこと。その上で、監視態勢のレベルに応じ、人から人へ継続的に感染する確率を予測する。監視態勢とは感染の発見、症状の診断、報告などで、質が低い、効果的でない監視から集中的な監視までレベル分けされる。

「現在の感染拡大が世界規模の伝染病に発展するのを食い止めるためには、世界中の国・地域による監視努力が重要」との考えに基づく予測モデルだとトンプソン氏は説明する。

米疾病管理予防センター(CDC)の伝染病学者、ジョー・ブレシー氏は「公衆衛生の責任者であるわれわれにとって、これらはどれも欲しくてたまらない情報だ」と言う。

英ウォーウィック大で感染拡大を予測する数理モデルを開発しているマイク・ティルデスリー氏のモットーは「すべてのモデルに間違いはある。しかし中には役に立つものもある」だ。

モデルがどの程度役立つかは、究極的にはそれを使う機関や部局の対応にかかっている。

「本当に大規模な感染の影響を和らげたいなら、ピークを迎えるとみられるまでにかかる平均的な時間に目を向けるだけでなく、最悪のシナリオも視野に入れることが重要だ」とティルデスリー氏は語った。

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