バイデン氏、フロリダなど3州制し指名獲得へ弾み サンダース氏に撤退圧力

2020/03/18
更新: 2020/03/18

[ワシントン 17日 ロイター] – 米大統領選の民主党候補指名争いは17日、フロリダ、イリノイ、アリゾナの3州で予備選が行われ、最有力候補のバイデン前副大統領が3州全てを制したとみられ、指名獲得にまた1歩近づいた。大きく水をあけられたサンダース上院議員に対しては選挙戦からの撤退圧力が強まるとみられる。

エジソン・リサーチと複数のテレビ局は、アリゾナ州でバイデン氏が勝利すると予測。大票田のフロリダ州では得票率でサンダース氏に40%ポイント近い大差をつけ、イリノイ州では20%ポイントの差をつけ、圧勝した。

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、予備選や党員集会が行われない期間がしばらく続くのを前に、民主党はバイデン氏に候補を一本化する動きを強める可能性がある。

一方、サンダース氏が撤退せずに選挙戦を続行した場合、共和党の現職トランプ氏と戦う11月の本選に悪影響を与える可能性を懸念する声も党内にある。前回の2016年の大統領選では候補指名を獲得したクリントン氏とサンダース氏が長期間予備選で激しく争ったことが、本選での敗北の一因になったと党指導部は考えている。

バイデン氏はデラウエア州の自宅からのビデオメッセージで、新型コロナウイルス問題への対応に大統領のリーダーシップが必要になっていると強調し、急進派のサンダース氏を支持する若い世代に対しては「あなたたちの言いたいことや何が問題になっているか、われわれが何をすべきかは分かっている」と訴えた。

「私の目標は党を一つにまとめ、それからこの国を一つにまとめることだ」と語った。

エジソン・リサーチの調査によると、バイデン氏は思想や年齢において幅広い有権者層の支持を得たが、年齢層別に見ると、18─44歳の若い年代が唯一、17日の予備選でサンダース氏を支持した。

また同調査によると、この日予備選が行われた3州では、大規模な危機への対応において、サンダース氏よりもバイデン氏を信頼しているとの回答が過半となった。

 

大統領選の激戦州であるフロリダでバイデン氏が全ての郡を制して圧勝したことは、民主党にとって好ましい結果となった。2016年の大統領選では、トランプ氏はフロリダで僅差でクリントン氏に勝利した。

バイデン氏は17日を前に、過去2週間あまりに予備選や党員集会を行った21の州のうち、16州を制しており、17日の結果を含めると獲得代議員数でサンダース氏へのリードを約230人に広げた。候補指名には1991人を確保する必要がある。

 

オハイオ州も17日に予備選を予定していたが、新型コロナへの懸念から取りやめた。このほかジョージア(当初予定3月24日)、ルイジアナ(同4月4日)、メリーランド(同4月28日)、ケンタッキー(同5月19日)など複数の州が民主党予備選を延期している。

民主党全国委員会のペレス委員長は、他の州に対し、予備選の延期は回避し、郵送による投票や期日前投票期間を長くするなどの措置で衛生面の安全確保に取り組むよう求めた。

*情報を更新して再送します。

Reuters
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