大紀元時報

焦点:重要州制したバイデン氏、トランプ氏との直接対決に照準

2020年03月21日 10時49分
3月18日、米大統領選に向けた民主党候補指名争いでは、左派のサンダース上院議員が撤退の瀬戸際に追い込まれる中、中道派のバイデン前副大統領が大統領選の鍵を握る重要州で勝利した。写真は12日、デラウェア州ウィルミントンでスピーチするバイデン氏(2020年 ロイター/Carlos Barria)
3月18日、米大統領選に向けた民主党候補指名争いでは、左派のサンダース上院議員が撤退の瀬戸際に追い込まれる中、中道派のバイデン前副大統領が大統領選の鍵を握る重要州で勝利した。写真は12日、デラウェア州ウィルミントンでスピーチするバイデン氏(2020年 ロイター/Carlos Barria)

[ワシントン 18日 ロイター] - 11月3日の米大統領選に向けた民主党候補指名争いでは、左派のサンダース上院議員が撤退の瀬戸際に追い込まれる中、中道派のバイデン前副大統領が大統領選の鍵を握る重要州で勝利した。この勢いに支えられてバイデン氏は、トランプ大統領との対決に照準を合わせることができるようになった。

バイデン氏は17日に実施されたフロリダ、アリゾナ両州を含む3州の予備選でサンダース氏に圧勝。両州は有権者が共和党、民主党のいずれにも揺れ動き得る激戦州として知られ、大統領を選ぶ上で鍵を握る。

新型コロナウイルスの感染が世界中に拡大しているにもかかわらず、両州の投票は出足が好調で、多数の有権者が早めに投票を済ませた。民主党支持者の間ではトランプ氏打倒の熱意は依然として強いことがうかがえる。

エジソン・リサーチの調査では、女性やアフリカ系米国人、地方の白人を含む幅広い有権者層がバイデン氏の指名を確実にした。同じく大統領選の結果を左右するミシガン州の予備選をバイデン氏が先週に制した際にも、同様の調査結果が示されていた。

おそらく最も意味深いことは、2018年の中間選挙で民主党が米下院の多数派を奪回するのを支えた郊外の穏健派有権者層でバイデン氏の支持が広がったように見えることだ。

バージニア大学政治センターのアナリスト、カイル・コンディク氏は「高所得、高学歴の層が多い郊外地区で投票率が大きく上昇した。この地区はまさに、共和党の支持が2016年以降は低下し、かつて共和党を支持していた有権者の少なくとも一部は、民主党に投票することに従来よりも心を広く開いているように見受けられる」と述べた。

コンディク氏は、予備選の結果は大統領選を占う上で必ずしも信頼できる指標になるとは限らないと警告する一方、バイデン氏の成功はトランプ氏との対決で良い前兆になり得るとの見方を示した。

民主党は2016年以降、アリゾナ、フロリダ、ミシガンの3州を最も重要な州と位置付けてきた。16年の大統領選ではトランプ氏がこれら3州で勝利した一方、12年は再選を目指したオバマ氏が3州をすべて制した。

<郊外で圧倒>

フロリダ州の予備選でバイデン氏はマイアミ、オーランド、タンパなどの都市周辺部でサンダース氏に大差で勝利。アリゾナ州ではまだ集計が行われているが、州人口の6割を占めるマリコパ郡ではバイデン氏がサンダース氏を10%ポイントほどリードしている。

バイデン氏は先週、ミシガン州の予備選でも、11月の大統領選で重要な意味合いを持つデトロイト市の周辺部で同様に圧勝している。

フロリダ州の投票率は、新型コロナウイルスの感染拡大で自宅にとどまる人が多かったにもかかわらず、16年を若干上回った。アリゾナ州では郵送による投票数が48万票となり、4年前の投票総数を超えた。

民主党候補指名争いは一時はサンダース氏や同じく左派のウォーレン上院議員が旋風を巻き起こしたが、バイデン氏は国家が緊急事態に直面する中で冷静に指揮を執れる人物として自分を映し出すため、長年にわたる公務の実績を強調した。

エジソン・リサーチの調査では、フロリダとアリゾナの両州で危機対応力はサンダース氏よりもバイデン氏の方が望ましいとの回答が2対1以上の比率になった。

民主党の特別政治活動委員会(スーパーPAC)であるプライオリティーズ・USA・アクションは新型コロナウイルスに伴う危機的状況は、景気が悪化して米国民が日常生活の大きな変更を余儀なくされる中、トランプ氏にとって問題の元凶になると指摘。同委員会の広報担当ジョシュ・シュウェリン氏は「このパンデミックが今後どうなるかは予想できないが、これまでのトランプ氏のひどい対応により、同氏はどの有権者層に対しても一段と脆弱になる」と述べた。

バイデン氏は17日、民主党の運命を左右し得る中南米系有権者の支持が改善した。同氏は勝利宣言の演説で、気候変動や教育、経済改革でサンダース氏に引き寄せられていた若年層有権者にも訴え掛けた。

<新型コロナと大統領選>

NBCニュースとモンマス大学の調査では、大統領選がバイデン氏とトランプ氏の対決になったと想定した場合の支持は、アリゾナ州ではバイデン氏がやや優勢となった。

フロリダ州では、トランプ氏にとってさらに不利な調査結果が示された。同州では今月の新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化する前の時点での調査で、トランプ氏に2期目の続投を認めると考える人の比率が40%だった。

一方、フロリダ州で調査会社を運営しているフェルナンド・アマンディ氏は、新型コロナウイルスの感染が拡大する中でもトランプ氏には激戦州で態勢を立て直す機会が与えられると考える。「今から大統領選当日までには、コロナウイルスによって選挙戦の情勢が何回も変わることがあり得る」と話した。

ロイター/イプソスが17日発表した調査では、トランプ氏の危機対応を支持する人の比率は47%となり、3月上旬から9%ポイント上昇した。

トランプ大統領の側近によると、イタリアなどの国で新型コロナウイルスの感染がいかに爆発的に広がったかを踏まえて米国が直面している危機について、政権内のコロナウイルス対策チームから再三の警告を受け、トランプ氏はウイルスの脅威に対して従来より厳しい姿勢を打ち出した。

こうした中、一部の共和党員は個人的にバイデン氏を手ごわい対戦相手とみている。

ホワイトハウスに近いある高官はバイデン氏について、トランプ政権下で共和党から離れる傾向にありながらも、社会民主主義者を自称するサンダース氏への投票は渋るであろう郊外の女性有権者層に訴えかけ得る候補者として「トランプ氏に代わる選択肢として受け入れられる」人物だと指摘。「バイデン氏は最大の脅威だという私の見解は変わらない」と語った。

アマンディ氏は、現時点では有権者の脳裏にはコロナウイルスしかないとみられる中、両陣営にとって戦略的計画は二の次となって重要性が薄れるかもしれないという。仮に危機的状況が今年長く続けば、コロナウイルスへの対応と説明責任が投票で問われることになるとの見方を示した。

 

(James Oliphant、Steve Holland記者)

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