サムスンのトップを検察が聴取、2015年の合併と不正会計疑惑で

2020/05/26
更新: 2020/05/26

[ソウル 26日 ロイター] – 韓国サムスングループ経営トップの李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長が26日、検察に出頭し、2015年のグループ内2社の合併と不正会計疑惑について聴取を受けた。検察は、李氏が経営権を承継するためにグループ会社のサムスンバイオロジクス<207940.KS>の不正会計を自ら指示した可能性があるとみている。

李副会長は、朴槿恵前政権からサムスン物産<028260.KS>と第一毛織の合併への支持を取り付けるため、朴前大統領の知人に賄賂を提供した罪に問われ、裁判で審理中。合併は李副会長の経営権強化が目的だったとされている。

2015年の会計処理でサムスンバイオロジクスの資産規模が4兆5000億ウォン(36億4000万ドル)水増しされていたと韓国金融委員会(FSC)に告発されたことを受け、検察は粉飾会計の捜査に乗り出した。

聯合ニュースによると、サムスンバイオロジクスの親会社である第一毛織の企業価値を水増しするために粉飾会計が行われたとFSCはみている。

李副会長は第一毛織の筆頭株主で、2015年のサムスン物産と第一毛織の合併により、サムスン物産の筆頭株主になった。

この合併を巡っては当時、「物言う株主」として知られる米ヘッジファンド運用会社のエリオット・マネジメントなどの投資家が、創業家一族の利益のために少数株主が被害を被ったと批判していた。

検察は李副会長が出頭して聴取を受けたことを確認した。ソウル中央地方検察庁の当局者はロイターに対し、「サムスングループの違法な合併と不正会計について関係者を召喚した」と明らかにした。

サムスン電子の広報担当はコメントを控えた。

李副会長は今月6日、5年ぶりに公の場で発言し、グループの経営権継承問題について謝罪し、自身の子に経営権は譲らないと言明した。

韓国最高裁は8月、李副会長に対する執行猶予付きの二審判決を破棄し、高裁に審理を差し戻しており、量刑が重くなる可能性がある。

*内容を更新しました

Reuters
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