大紀元時報

【独自】中国石油天然気集団の内部資料、海外党組織が「地下活動」展開

2020年08月18日 15時52分
2020年8月6日、在ニューヨーク中国総領事館の前に、機密文書処理会社「USA Shred」のシュレッダー搭載車2台が止まっていた(宋昇樺/大紀元)
2020年8月6日、在ニューヨーク中国総領事館の前に、機密文書処理会社「USA Shred」のシュレッダー搭載車2台が止まっていた(宋昇樺/大紀元)

米政府は7月21日、スパイ拠点の可能性があるとして、在ヒューストン中国総領事館を閉鎖した。大紀元が入手した中国国有エネルギー大手、中国石油天然気集団(CNPC)の機密文書では、中国当局の在外公館のみならず海外にある中国共産党組織のメンバーも、「党建設」の名目で諜報活動ができることが明らかになった。

党建設とは、党員の政治思想を高め、党組織を強化し発展させて、党員の教育を強化していくことだ。

大紀元はこのほど、中国IT大手のテンセント、バイトダンス、新浪微博、百度などの党支部委員会のメンバーリストについて取り上げ、中国IT企業が共産党に浸透され、支配されている実態を明らかにした。今回、入手したCNPCの海外にある党組織に関する文書から、中国企業の党支部が海外で行っている活動の実態の一部がうかがえる。

米国などの西側各国が中国への対抗措置を強めている中で、「オーストラリアでは、党建設に関する資料を保存しているとの理由で、(豪政府の)捜査員らが中国人スタッフの携帯電話、パソコンなどの個人所有物を押収した」と同機密文書は明かした。このため、中国当局は、オーストラリア、カナダなど10カ国にある「在外公館に対して早急に敏感資料を廃棄するか、移転する」よう指令したという。

CNPCの機密文書は、「上層部の要求に従い」党建設業務をめぐって、海外の党組織に対して複数の指示を行った。

まず1つ目の指示は、「大使館の党委員会の指導を受ける」ことだ。「特に東南アジアにある(系列)会社は、マレーシアやシンガポールの中国大使館の指導を、中東にある会社は、サウジアラビアの中国大使館の指導を受けてください。毎年少なくとも1回、所在国の中国大使館に活動報告を行うように」

中国石油天然気集団の内部機密文書の一部(大紀元)

2つ目の指示は、「海外にある各機関は、海外部門の指示の下で、潜在的リスクを整理し、突発的な事件の緊急対策を策定してください。大使館や国内との緊急連絡メカニズムを構築しなければならない」とのことだ。「海外にある各機関」とは、CNPCの海外にあるすべての党組織であり、「海外部門」は中国大使館や中国情報当局であることは明白だ。

中国石油天然気集団の内部機密文書の一部(大紀元)

在米中国人時事評論家の朱明氏は、CNPCの通知で言及した「潜在的なリスク」と「突発的な事件」は、「各国の捜査当局や防諜機関に目を付けられるのではないかという中国側の不安を意味している」と述べた。各国でスパイ活動を拡大している中国当局に対して、国際社会は警戒し対中強硬姿勢を強めている。朱氏は、「この情勢に中国当局はおびえ始めている」と指摘した。

スパイ拠点の大使館

朱明氏は、CNPCの機密文書で明らかになった、中国当局がオーストラリアやカナダなど各国にある中国在外公館に敏感資料を早急に破棄するようにとの指示は、中国当局が策定した緊急対策だとした。「国内との緊急連絡メカニズム構築は、中国大使館や総領事館などが海外のスパイ拠点であることを改めて浮き彫りにした。国内上層部から直接、指令を受けられるからだ」

また、CNPCの機密文書には「党員および幹部が外部の調査を受ける際、必ず『党の秘密を厳守する』ルールを順守しなければならない」「これは鉄則だ」との内容もあった。これは、CNPCの海外党組織メンバーに緘口令を敷いたことを意味する。中国当局は、「秘密」を漏らした者には大きな代償を支払ってもらうと脅かしている。

機密文書は、「党の秘密」について詳しく説明していない。7つ目の指示において、米国や英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドなどの「高度な敏感国」に駐在する党組織には、「パソコン、携帯電話、外付けハードディスク、USBフラッシュドライブ、光ディスクなどに保存している関連電子文書は全部削除し、紙媒体の文書は破棄処理を行うよう」記されている。

中国石油天然気集団の内部機密文書の一部(大紀元)

また、「破棄しにくい重要資料は整理し、封をして厳重に保管するか、駐在国の中国大使館に引き渡すように」とある。
米国の在ヒューストン中国総領事館の閉鎖前、スタッフが中庭で資料を燃やしている様子をとらえた。敷地内に煙が上がったため、地元の消防や警察が出動した。一方、8月6日、在ニューヨーク中国総領事館の前に、機密文書処理サービス会社「USA Shred」のシュレッダー搭載車2台が止まり、総領事館のスタッフが資料を細断している様子があった。

地下活動

大紀元は2017年12月、中国企業の海外党支部の秘密活動について報道した。報道では、海外党支部の党建設活動は「地下活動」で、現地の住民を密かに入党させており、海外に住む中国人や華僑の監視を強化しながら、積極的に共産主義イデオロギーを輸出している。また、海外における党建設活動は、「党の組織、党員の身分、党内の職務、党内の活動、党内文書を公開しない」との5原則に従っていると指摘した。

当時の報道では、海外の中国企業は、社内業務用のアプリを通して、党建設活動を行っていた。CNPCは海外にいる社内党員に対して、「中石油の党建APP」をダウンロードするよう要求した。

党建設アプリについて、今回取得したCNPCの機密文書によると、中国当局は「石油党建APPの海外での使用をしばらく停止してください。関係者は直ちに石油党建APPを削除してください」と命令した。また、「海外の党建設活動について、5原則を確実に実施するよう」命じた。

さらに、CNPCが出した5つ目の指示は「党建設に関する言論や文章を発表してはならない。ウィーチャットや電子メールなど、暗号化されていないツールを通して、党員や党組織に関する情報、党建設活動報告を送ってはならない。海外で国旗を掲揚し、党員が党のエンブレムを付けてはならない。党建設活動に関する看板などを設置してはならない」としている。

6つ目の指示は、「海外党建設責任制度の評価、巡視などを含む海外における党の活動は、暫く『跡を残さないように』要求する」と書いている。

中国石油天然気集団の内部機密文書の一部(大紀元)

朱明氏は、「中国当局は、現在、国際社会が共産党組織を非合法組織とみなしていることを十分に認識している。他国の政府に捜査されないように、海外での党建設活動を密かに行うようにした」と指摘した。海外にある中国共産党組織は、中国大使館・総領事館と同様に、スパイ活動の拠点だ。

(翻訳編集・張哲)

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