大紀元時報

カナダ政府、中国企業による北極金鉱山の管理会社買収案を却下 安保上の懸念から

2020年12月25日 13時38分
カナダ北部ヌナブト州のホープベイ金鉱山 (Timkal/CC BY 3.0)
カナダ北部ヌナブト州のホープベイ金鉱山 (Timkal/CC BY 3.0)

カナダ政府が12月21日までに、カナダの鉱山管理会社TMACリソースをめぐって、中国国有大手、山東黄金鉱業による買収案を却下した。北極の地政学的な要所に関わるTMACの買収案は、専門家からカナダの安全保障上の懸念を引き起こしていた。

TMACの声明によると、投資法に基づくカナダ政府の決定を受けて、中国国営企業・山東黄金鉱業有限公司と取引の終了を協議しているとした。

世界最大級の金生産企業である山東黄金鉱業は5月、中国の規制当局の承認を得て、北極圏に位置するカナダ北部ヌナブト州のホープベイ金鉱山を所有するTMACを2億3000万ドルで買収する計画を発表した。6月、TMACの株主は賛成票を投じた。

しかし、カナダ政府が10月、国家安全保障の懸念から計画の見直しを命じたため、同案は承認待ちとなった。

カナダ政府は「機会主義の投資行動」を防ぐために、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の世界的な流行の間、外国企業に対してより厳しい審査を行っている。

北米への足掛かりとなる北極圏を狙う中国とその国営企業は、北極に資産を所有する外国企業に手を伸ばしている。中国共産党政権は世界覇権に向けて、長期的な戦略目標を進めるために外国企業を買収することで知られる。

安全保障の専門家は、TMACの金鉱山が大西洋と太平洋を結ぶ戦略的な航路の近くに位置していることから、この買収計画は中国の地政学的野心に沿ったものであると考えている。

カナダ安全情報局の元職員であるデビッド・ハリス氏は5月、大紀元の取材に対して、TMACの取引は中国側の「侵略的な要素」があり、カナダの経済と国家安全保障に深刻なリスクをもたらすだろうと語った。

金は、不安定な経済状況の中で投資家の避難先となっている。過去20年間、中国は金準備を拡大してきた。ホープベイの金の生産量は限られているが、ハリス氏は、貴金属の軍事的有用性と、戦略的航路に近いという点から、この鉱山が中国の手に渡ることに懸念を示していた。

ハリス氏はまた、金は核関連の活動において重要な鉱物で「最近の中国の野心的な軍事力の拡張を考えれば、これは些細な問題ではない」と考えている。さらに、中国は北極圏での戦略的支配権を確保することに「とてつもない意欲」を持っていると付け加えた。

6月には、マクドナルド・ローリエ研究所の上級研究員でカナダの中国問題専門家チャールズ・バートン氏は、中国国有企業によるカナダへの投資の一時停止を提案した。経済的・安全保障上の懸念があるという。

バートン氏は、中国共産党政権は特定の政治的目的や利点に役立たない分野には投資しないと指摘する。また、国有企業は後に戦略的に利用できる情報を収集するために中国軍と緊密に協力していると分析している。

(翻訳編集・佐渡道世)

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