大紀元時報

カナダ政府、蔡英文総統への授賞阻止 北京に忖度か=米紙

2021年04月16日 12時00分
台湾・台北の迎賓館で就任演説を行う蔡英文総統=2020年5月20日(Wang Yu Ching/Taiwan Presidential Office/Handout via Reuters/File Photo)
台湾・台北の迎賓館で就任演説を行う蔡英文総統=2020年5月20日(Wang Yu Ching/Taiwan Presidential Office/Handout via Reuters/File Photo)

「国際安全保障のダボス会議」と呼ばれるハリファックス国際安全保障フォーラム(HFX)が、カナダ政府の圧力により、台湾の蔡英文総統への「2020年ジョン・マケイン公共サービス・リーダーシップ賞(以下、ジョン・マケイン賞)」の授与を見送る可能性がある。米政治専門紙ポリティコ(Politico)が11日、複数の情報筋の話として報じた。

それによると、同フォーラムの理事会は昨年末、中国共産党からの脅迫や圧力に屈していないとして、蔡総統に同賞の授与を決定した。故ジョン・マケイン(John McCain)元米上院議員の夫人で、フォーラム理事長でもあるシンディ・マケイン(Cindy McCain)女史もこの決定を支持した。

しかし、情報を知ったカナダ政府は、HFXが蔡総統に賞を与えた場合、資金援助などの公的支援を撤回する意向を示したという。カナダ政府はHFXの主要スポンサーである。

故ジョン・マケイン元米上院議員(共和党)を記念するために創設された同賞は、毎年HFXで、正義の追求において優れたリーダーシップを発揮した個人または集団に授与される。2018年の同賞設立以来、第1回目は中東の難民を支援するギリシャのレスボス島の住民に、第2回目は香港の民主化デモ隊に贈られた。

2020年ジョン・マケイン賞は現在、宙に浮いている。フォーラムのロビン・シェパード(Robin Shepherd)副総裁は声明の中で、「HFXは、2020年のジョン・マケイン賞の受賞者をまだ発表していない。COVID-19パンデミックに鑑み、受賞者の発表と授賞式は後日行いたいと考えている。(中略)台湾初の女性総統である蔡英文氏は、世界の民主主義を強く支持し、国際的に尊敬されているリーダーである。彼女は間違いなく、この賞の理想的な候補者である」と述べた。

これに対し、台湾外務省の欧江安報道官は12日、「HFXが蔡総統を称えるのであれば、それは蔡総統と台湾国民がパンデミックと戦い、民主主義を推進したことに対する評価と名誉であると考えている。しかし、民主主義の理念とHFXの尊重に基づき、台湾はこの賞の結果を尊重する」と述べた。

米ワシントンDCを拠点とするハリファックス国際安全保障フォーラム(HFX)は、2009年にカナダ国防省と米ジャーマンマーシャル基金( GMF )によって発足し、2011年に独立した組織となった。

HFXは、民主主義国間の戦略的協力関係の強化を目的とし、世界の安全保障関係者が集まる場とされている。毎年11月に、カナダのノバスコシア州の州都ハリファックスで3日間の会議を開催している。2020年11月20~22日に開催された会議には、マイク・ポンペオ米国務長官や北大西洋条約機構(NATO)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長をはじめ、世界80以上の民主主義国から300人の代表者が参加し、中国共産党政権が世界の安全保障にもたらす脅威に焦点を当てた。

北京忖度するトルドー政権の弱気

12日付のカナダ放送協会(CBC)によると、カナダのハルジット・シン・サージャン国防相は同国の下院委員会に対し、HFXのスポンサー協定の更新が年内に行われる際に「検討する」と述べたという。

しかし、サージャン国防相は12日夜、カナダ議会傘下のカナダ・中国関係委員会の質問に対し、「それは絶対に間違っている」「HFXは独立した組織であり、彼らは自分たちの判断に基づいて決断を下す」とポリティコの報道を否定した。

国防省スポークスマン、トッド・レーン(Todd Lane)氏は記者からの質問に対し、カナダ政府はHFXとのスポンサー契約により資金支援を行っているが、HFXの意思決定には関与していないと強調した。カナダ政府がHFXの決定に干渉しているかどうかという質問には答えなかった。

2018年12月、カナダ司法当局は米国との犯罪人引渡条約に基づき、中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)を逮捕した。その数日後、中国当局はカナダ人の元外交官マイケル・コブリグ(Michael Kovrig)と実業家マイケル・スペーバー(Michael Spavor)両氏をスパイ容疑で拘束した。これは、中国共産党のカナダに対する「人質外交」との見方が強い。

トルドー政権は、中国共産党が政治的な理由でカナダ人を「恣意的に拘束している」と批判している。しかし、北京に忖度し、中国共産党を怒らせないよう弱気の姿勢が際立つ。カナダは、英語圏5カ国の情報機関「ファイブ・アイズ(Five Eyes)」の加盟国の中で唯一、ファーウェイの5G機器を規制していない国である。

一方、カナダ議会は、新疆ウイグル自治区の人権問題で米国、英国、EUと歩調を合わせている。今年2月、カナダ下院は、中国共産党によるウイグル族への弾圧を「ジェノサイド(集団虐殺)」と認定する決議を採択した。トルドー首相と閣僚36人は中国政府に配慮し、投票を棄権した。

(翻訳編集・王君宜)

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