大紀元時報

海外送金しか頼れない…困窮極める北朝鮮 高額手数料でブローカーが仲介

2021年9月4日 20時39分
中朝国境の川で衣服を洗う北朝鮮の女性。9月11日撮影(GREG BAKER/AFP/Getty Images)
中朝国境の川で衣服を洗う北朝鮮の女性。9月11日撮影(GREG BAKER/AFP/Getty Images)

北朝鮮は、中共ウイルス(新型コロナウイルス)対策のため、中国との国境を封鎖したことで、経済活動が麻痺状態に陥っている。そんな中、多くの住民にとって、脱北して韓国などにいる親戚から闇送金を仲介する「電話ブローカー」が最後の頼みの綱となっている。

電話ブローカーは、北朝鮮を脱出した人と国に残る家族や親戚を繋ぎ、送金ルートを提供する。北朝鮮では国際電話は厳しく規制されているため、多くの場合、中国から密輸された「違法」な携帯電話を使い、送金額の30%という高額な手数料を徴収しているという。

北朝鮮当局が闇送金に対する取り締まりを一層強化したため、一時はブローカーも姿を消していた。しかし最近では、ブローカーも活動を再開していると関係者は語る。

「厳しい取り締まりと厳しい処罰の脅威に直面しながらも、活動を再開せざるを得ないのは、北朝鮮に残る家族やブローカー自身が厳しい経済状況に置かれているからだ」と関係者は述べた。暮らしは困窮を極め、生き延びるためには海外からの送金に頼るしかすべはないのだという。

北朝鮮は2020年1月、中国との国境を封鎖し、すべての貿易を停止したことで、経済に壊滅的な打撃を受けた。食料品の価格は上昇し、不足分を補うための輸入品もないため、食糧危機が深刻化している。

北朝鮮では誰にも頼ることができない住民にとって、韓国や中国にいる家族からの送金が「命綱」となっていると関係者は語る。「脱北して海外に家族がいる住民は、飢えて死ぬよりも、命がけで連絡を取って助けてもらおうと思っているようだ」。

仕事への復帰

ブローカーは、厳しい取り締まりに直面しているため、これまで30%だった仲介手数料を50%に引き上げたと関係者は語る。

「仲介手数料が大幅に上がったにもかかわらず、住民はブローカーに海外にいる家族との(電話)接続を懇願し、送金額の半分しかもらえなくても構わないとまで言っている。ブローカーも生活が苦しいため、リスクを負わずにはいられないのだ」

また、北東部の咸鏡北道の関係者は、8月23日にラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に対し、ブローカーたちのおかげで海外の親戚からの助けを得て、悲惨な生活状況から脱出することができたと語った。

昨年は、ブローカーが家族に個人的に売り込みをかけていていたが、今では、「家族がブローカーを探している」状況だという。

危険な仕事

ある情報筋によると、高額な仲介手数料に惹かれて他の地域から電話が通じやすい中国との国境地帯に移住してきた人もいるという。

新しい20代のブローカーは、黄海道に住む30代の男性と韓国にいる兄を結びつけ、送金額6000元(約10万円)の50%を手にいれることができた。「たった1回の取引で巨額の利益を得たことになる」と関係者は語る。

またある情報筋は、「ブローカーは潜在的な危険性を認識していても、彼ら自身がひどい経済状況にあるため、仕事をやめることができない」と指摘する。

北朝鮮人権情報センター(NKDB)、韓国に在住する脱北者414人を対象にアンケート調査を行った。その結果、2018年には回答者の47%が「北朝鮮に残る家族と常時連絡を取っている」と答え、そのうち、約93%が家族と電話で話していると回答した。

また、同調査では、62%が北朝鮮に送金したことがあると回答。同センターは、彼らの回答をもとに、韓国に在住する脱北は年に2回程度、毎回約270万韓国ウォン(約25万円)を送金していると推定した。
 

(翻訳編集・武田綾香)

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