クアッド初となる対面式の首脳会談が25日、米ホワイトハウスで行われた。(Photo by Sarahbeth Maney-Pool/Getty Images)

クアッド初の対面会談、半導体等のサプライチェーン強靭化を確認 日本はASEANとも連携図る

日米豪印の4カ国からなる国際協力枠組み「クアッド」の首脳会談が24日、米国首都ワシントンで行われた。会談後に発表された共同声明では、半導体等の重要な技術と材料のサプライチェーンの安全性向上と、人権への取り組みが確認された。米中貿易戦争とコロナ禍による世界経済への打撃と、デジタル化の急伸により世界的な半導体不足が起きていることを踏まえ、各国はグローバル・サプライチェーンの評価と再構築を急いでいる。

声明では、技術や産品の研究・製造工程において人権尊重が保障されていることを要求している。「技術の設計から開発、管理にいたるまで、普遍的な人権の尊重に基づいて形成されるように、重要な技術や新技術に関する協力関係を築いている」「高い透明性と市場志向の政策、支援策を重視して、技術サプライチェーンへの積極的な関与を確認する」と記した。

材料や技術などあらゆるモノの供給網の脆弱性に対処するため、日本もまた、デジタル技術を活用し、ルールと自由競争を重視する価値観を共にする国との連携強化を図っている。

クアッド・サミットの1週間前にあたる9月17日、日本は豪印およびASEANと、2回目となる「サプライチェーン強靱化フォーラム」を開催した。日本貿易振興機構(ジェトロ)が主催するこのフォーラムを通して、国の供給網の途絶リスクや脆弱性を発見し、先端技術の紹介などを通じて、インド太平洋地域諸国の連携強化を確認した。同機構の佐々木伸彦理事長は、グローバルな企業は供給網の可視化を通じてリスク管理を行うべき、と説いた。

政府セッションでは、各国における政府主導のサプライチェーン強靭化にかかる取り組みが紹介された。日本は、経済産業省のアジアDX(ADX、アジア・デジタル・トランスフォーメーション)事業での貿易情報の連携や物流コンテナ船の位置情報把握事例を、インドはコロナ禍におけるデジタル化やインフラ開発振興を報告した。

民間シンクタンクからも、サプライチェーンの見直しと提言が発出されている。三菱総合研究所は9月8日、「サプライチェーン強靭化にむけた提言」を発表。日本企業に対して「経済安全保障上のリスクを把握する社内体制を構築」することや、「調達先の多元化など事業の継続性強化、社内の機微技術・情報の特定などリスク管理体制強化」を講じるべきだと助言した。

同研究所は日本政府に対して、「投資金額もリスクも大きな案件については、政府が戦略的に他国との交渉をリードしていく必要がある」とした。また、ルールに基づく競争市場を作るため、クアッドG7など価値観を共有する国々と協調すべきと勧めた。

(佐渡道世)