2021年2月3日、世界保健機関(WHO)の現地調査チームの一員として中国武漢に入ったピーター・ダザック氏(右)(Hector Retamal/AFP via Getty Images)

米NPO、武漢研究所と密かにウイルス開発 最新の流出文書で明らかに

※ 大紀元エポックタイムズで表明された内容や意見は、寄稿者の個人的見解です。無断転載を堅く禁じます。

新たな文書は、動物学者のピーター・ダザック氏が率いる米NPO団体、エコヘルス・アライアンスと中国の武漢ウイルス研究所が機能獲得実験を利用して、コロナウイルスに「ヒト特異的切断部位(human-specific cleavage sites)」を人為的に挿入し、ヒト細胞への感染力を高める計画をしていた詳細を記している。

米国防省に提出した申請書で「機能獲得実験」に言及

同文書は、2018年に米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)に提出された助成金申請書の一部で、COVID-19 (新型コロナウイルス感染症)に似たウイルスを作るための青写真について詳しく記述した。この研究の表向きの目的は、ウイルスが時間の経過とともに進化し、このような強化された形質を人為的に獲得できるかどうか予測することだ。

COVID-19が発生した当時、一部の科学者は、このウイルスが切断部位にヒト特異性への適応を持っていることに戸惑った。科学誌「ネイチャー」に掲載された研究では、新型コロナウイルスは「テストしたすべての種の中で、ヒトACE2に対する最も高い結合性を示した」と指摘した。

COVID-19のヒト特異的結合機能は、同じ系統樹のコロナウイルスにはないため、現在の大流行は過去に発生したアウトブレイクと違うものとなった。新型コロナウイルスは、ヒトの細胞に結合するという特有な性質を持っているため、感染力が高く、世界中に急速に広がった。

COVID-19の原因不明の結合特性は、世界的なパンデミックをもたらし、数百万人の命を奪い、世界経済を混乱させた。いっぽう、重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)による全世界の死者数はそれぞれ1000人未満だった。

同文書は、COVID-19の起源を研究するネット上の団体が情報筋から入手したものだ。トランプ前政権の元幹部によって本物であると確認された。「ドラスティック(DRASYIC)」と呼ばれるこの国際民間有志団体は、すでに文書をネット上に公開した。

同助成金申請書は、国防総省DARPAの責任者であるジェームズ・ギムレット氏によって却下された。ダザック氏側は申請書の中で、この研究が危険な機能向上や軍事両用の研究に関わることについて言及せず、評価もしなかったことが理由だという。

中国雲南省にある既存の実験場などを含めて、同申請書が示した詳細情報だけでは、研究の進捗状況や、申請書が提出される前から研究がすでに始まっていたかについて不明なところがある。

現在、ダザック氏側が最終的に、申請書で言及した研究プロジェクトを実行したかどうかはわかっていない。しかし、ダザック氏と同氏の中国共同研究者である武漢ウイルス研究所(WIV)の石正麗所長は、他の研究プロジェクトのために米政府機関から資金提供を受けた。その中には、アンソニー・ファウチ博士が率いる米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)からの助成金も含まれていた。NIAIDは、WIVに同様の機能獲得研究の資金を提供した。研究者らは中国共産党からも直接的な資金提供を受けた。

雲南省墨江鉱山に新コロナウイルスを放出する計画も

ダザック氏が2018年に提出した助成金申請書は75ページに及ぶ。この文書の詳細はCOVID-19が実験室で製造され、または強化されたという説を補強した。

同申請書には、ダザック氏の団体と石氏側の研究者らは「適切にヒト特異的切断部位を導入し、VERO細胞とHAE培養での増殖を強化する」ことを計画していると書かれている。

素人の言葉でいうと、ダザック氏と石氏の研究計画は、コロナウイルスに人為的にヒト特異的切断部位を挿入し、ヒトへの感染力を強めることである。COVID-19にみられる珍しいフリン切断部位は、他のベタコロナウイルスにはみられない。

この事実はパンデミックの発生後、直ちに研究者の注目を集めた。

2020年2月1日、ファウチ博士が主宰した秘密の電話会議でも、このウイルスの特徴は主要な議題として取り上げられた。ファウチ氏と、英国の医学研究を支援する公益信託団体、ウェルカム・トラストのディレクター、ジェレミー・ファラー氏は、COVID-19とWIVの関係性についての報道を受けて、この会議を急遽開催した。参加者の1人は、「挿入部分だけではなく、(DNA)バックボーンについても話す必要がある」と述べ、新型コロナウイルスにヒト特異的切断部位が挿入されたと示唆した。

同会議では、ファウチ氏側の助成金を受けている研究者、クリスティアン・アンダーセン氏は「このウイルスの発生源が実験室であるという確率は60~70%だ」と主張した。アンダーセン氏の共同研究者であるエドワード・ホームズ氏は「80%」とこの確率をさらに引き上げた。

この会議で研究者らは、ウイルスが人工的に作られた可能性があると個人的な結論を提示したにもかかわらず、会議後の20カ月間、これらの研究者はウイルスが自然に発生したと公に宣伝していた。

前述の助成金申請書では、エコヘルス・アライアンスとWIVが、他のウイルスの遺伝子配列情報を使って、ウイルスを合成して再構成するという研究の案も描かれていた。これは、WIVがウイルスの作成に関わりたい意図があることを意味する。申請書には、このような「新しい」ウイルスを年に3~5種類作ると記されている。

同文書によると、ダザック氏と石正麗氏の研究チームは、組み換えコロナウイルスのスパイクタンパク質をエアロゾル化して、在来種のコウモリの群れに放出することを計画していた。表向きの目的はコウモリにワクチンを接種し、人間への感染を防ぐためであるという。しかし、この計画について、今まで開示されたことはなく、リスク評価も行われていなかった。

エコヘルス・アライアンスの助成金申請書は、同団体とWIVが雲南省ですでに「実験用の洞窟」を持っていることを明らかにした。

雲南省とカリフォルニア州は同じくらいの大きさだ。この申請書では、実験場の正確な位置は明記されていない。WIVが長年、実地調査を行ってきた「墨江鉱山」がその実験場の可能性がある。ダザック氏と石氏は、この実験場の存在について何度も隠した。インターネット上でパンデミックの起源を調べている他の研究者が、中国の研究論文の中で同鉱山に関する記述を見つけたことで、その存在がはじめて明らかになった。

衛星写真もこの鉱山が実験場である可能性を示唆した。衛星写真では2012年、この辺鄙な鉱山の周りに新しい建物ができたことが確認された。同年、鉱山の従業員3人がCOVID-19と似た病で死亡した。墨江鉱山は、石正麗氏が新型コロナウイルスに最も近いウイルスを発見した場所でもある。同氏はパンデミックの最初の1年間、この事実を隠ぺいしていた。

墨江の「実験用の洞窟」の存在は、中国当局が墨江鉱山やその周辺地域に立ち入り禁止措置を実施している理由を説明できるかもしれない。2020年12月、英BBCの取材班は複数回この地域へのアクセスを妨害された。

感染拡大直前に削除されたデータ

ダザック氏の申請書が、同氏と石氏の研究チームは180以上の独特なコロナウイルスを保有している、と示したことに注目すべきだ。それらの配列は公開されていない。実際に、2019年9月12日、WIVは深夜にコウモリウイルスの配列データベースを削除した。

このため、配列情報は現在も行方不明となっている。ダザック氏の指示で、新型コロナウイルスの起源を調査していた世界保健機関(WHO)のチームは、中国当局にデータベースについて質問しないと決めた。

助成金申請書は、WIVには生きたコウモリを飼育する施設があると明らかにした。この点について、ダザック氏と中国側の双方は否定している。

エコヘルス・アライアンスが提出したこの申請書は、科学界で波紋を広げている。パンデミックの起源について本を執筆しているリドレー子爵は、ダザック氏がコロナウイルスにヒト特異的切断部位を挿入する計画を隠していると批判した。

「今になって、彼が武漢でのウイルス研究に関して、この重要な情報を書いたことが判明した。しかし、彼は世界の科学者と共有するのを拒んでいる。私はとても怒りを覚えている。全世界も非難すべきだ」

ダザック氏の申請書は、コウモリのコロナウイルスに遺伝子操作で切断部位を作り、ヒトからヒトへの感染に特化した新しいウイルスを作ろうとするWIVの研究者の意図を詳細に説明した。その結果、1年後に武漢で発生したウイルスは、同氏の申請書に書かれた通りの特徴を持っていた。

科学界の内外は、ダザック氏の申請書にもっと注目すべきだ。また、自然発生の説を熱心に唱えるファウチ氏のような科学者にも注意を払わなければならない。

(文・Jeff Carlson/Hans Mahncke、翻訳・張哲)


執筆者

Jeff Carlson氏は大紀元時報英語版に定期的に寄稿している。CFA(公認証券アナリスト)登録資格者で、ハイイールド債市場で20年間、アナリストやポートフォリオ・マネジャーとして活躍。

Hans Mahncke氏も大紀元時報英語版に定期的に寄稿。法学博士号を持ち、複数の法律関連書籍を執筆した。研究成果は様々な国際誌に掲載されている。