2020年12月3日、ホワイトハウスの執務室で行われた式典に参加したジョン・ラトクリフ氏 (Evan Vucci/AP Photo)

米バイデン政権、中国DJI製ドローンを購入 「安全保障に危害をもたらす」=前国家情報長官

中国共産党と緊密な関係にあるドローン大手・大疆創新科技DJI)のドローンを、バイデン政権が購入していると報じられられたことが、波紋を呼んでいる。ジョン・ラトクリフ前国家情報長官は中国企業のドローンについて「国家の安全保障に危害を及ぼす」と警鐘を鳴らした。

トランプ政権時代に国家情報長官を務めたラトクリフ氏は10日、FOXニュースに出演し、前政権ではDJIをはじめ、中国企業の技術を米政府機関などで使用しない方針だったと語った。国土安全保障省は2017年、DJIドローンは「米国の重要インフラや法執行機関のデータを中国政府に提供している」と諜報の疑いを指摘していた。

バイデン政権後の国防総省も今年7月、警戒を維持しており、DJIドローンは「国家安全保障に対する脅威になり得る」との懸念を示していた。

しかし、こうした警告にもかかわらず、バイデン政権はDJIドローンを購入しているという。ウェブメディア・アクシオスの9月22日付によれば、シークレット・サービスは7月にDJIドローンを8台、米連邦捜査局(FBI)は19台購入している。

バイデン政権は、安全保障上の問題等により米国企業との取引を制限する「エンティティリスト(禁輸リスト)」から、DJIを除外した。

ラトクリフ氏は、DJIドローン購入は、バイデン政権の「軟弱な対中アプローチ」の現れだと述べ、中国の脅威を軽視していると指摘した。また、ウイルス情報の隠蔽などを例に挙げて、中国共産党は信用に値しないと述べ、DJIドローンの使用は「国家安全保障に対する脅威」だと語った。

FBIは電子メールの取材に応じ、購入したドローンの詳細についてはコメントを控えるとした上で、「業務のセキュリティと安全性を確保するために、あらゆる手段を講じている」とコメントした。

FBIはドローンの購入に先立ち、DJIドローン「ファントム4プロ」に関連する多くの機能を挙げ、「許容できるコストで、これらすべての機能を兼ね備えたドローンDJIだけ」と主張していた。

シークレット・サービスがDJIを購入した際の契約書には、ドローンは「既存の小型無人機を補完し、最新の機器とソフトウェアを使用することで任務のサポートを向上できる」と記されている。

米国からの安全保障面に関する懸念を受けて、DJIの広報担当は9月、中国当局への情報提供はないと主張。「データを意図的に盗み出すといった事実はない」と当局との関係を否定した。

中国製ドローンの排除を強化

中国のスパイ技術に危機感を募らせる米国議員たちは、中国製のドローンの購入を禁止する法案の可決に動いている。マイケル・ゲスト下院議員らは、米国土安全保障省が中国企業により製造された無人機の契約を締結したり、更新することを禁止する法案「Unmanned Aerial Security Act(仮邦訳:無人航空機セキュリティ法)」を提出。9月29日、発声投票で可決した。

ゲスト議員は、「国土安全保障省は重要な任務にドローンを活用しており、機器の信頼性を欠いてはいけない。中国共産党が米国の技術や情報を盗んでいることは、よく知られている」と同法案の重要性を強調した。

(翻訳編集・山中蓮夏)