写真は米国司法省の建物 (MANDEL NGAN/AFP/Getty Images)

中国諜報員、私生活の写真で米企業エンジニアを脅迫 スパイ活動を強要=米メディア

米企業から機密情報を盗んだとして起訴された、中国国家安全部のスパイである徐延軍容疑者の裁判は19日、米オハイオ州シンシナティの連邦裁判所で行われている。現地メディアのWCPOが25日、裁判の一部詳細を報じた。

 徐容疑者は、2018年4月にベルギーで逮捕され、同年10月に米国に身柄を引き渡された。米国に引き渡された初めての中国人スパイだ。

連邦捜査局(FBI)の同州防諜部門の責任者ハル氏が法廷で証言した。徐が2017年にゼネラル・エレクトリック社(GE)の航空部門のエンジニアに接近し、私生活の写真約200枚を見せて脅迫し、スパイになることを強要したという。

「彼(同エンジニア)には、中国に家族がいる」と、FBIの主任で捜査官のブラッドリー・ハル氏は話した。

徐容疑者は共謀罪、米主要航空宇宙企業の複数社から企業機密を窃取する活動、経済スパイ活動といった容疑で起訴されている。

ハル氏によると、中国政府は、GE社が過去数十年にわたって数億米ドル(1米ドルは約114円)を投じて開発した航空機用ポリメタリックコンポジットの技術機密を盗み出そうとした。この技術を有するのはGE社のみ。より大きくて軽い、そして燃費の良い民間航空機の製造に使われる。

以前公開された起訴状によると、2013~18年4月に逮捕されるまで、徐容疑者はGE社の航空宇宙部門をはじめとする米国の大手航空宇宙企業各社に接触を試みていた。

2017年、同社の一人のエンジニアの不審な行動に気づいたGE社は内部調査をはじめ、FBIにも通報した。

米司法省当局者によると、徐が中国の大学で講演するという名目でターゲットの企業の専門家を中国に招待し、旅費や手当を支払っていた。同当局者は、これらは企業機密情報を盗む計画の一部だと陳述した。

2017年11月1日、FBI捜査官が疑惑のGE社エンジニアの自宅を捜索した。彼はその後、米当局に協力するようになり、2018年4月1日、徐をブリュッセルの会議に誘い出して、ベルギー警察が徐を逮捕した。

逮捕後、FBIが徐の所持していた4台の携帯電話を調べたところ、そのうちの1台は遠隔操作でデータを削除されたため、FBIは「ほとんど何も見つからなかった」という。 数カ月後、徐の身柄はアメリカに引き渡された。

FBI幹部捜査官のハル氏は法廷で徐の携帯電話の通信記録を読み上げた。米F-22戦闘機の機密資料をも狙っていたことや、敏感情報をコード化していたことなどがわかった。

FBIによると、徐は2003年から諜報員の仕事に従事していた。

(翻訳編集・叶子)